この記事の連載

中国の基地スタッフが「シャンシャンはスター」と

小澤 シャンシャンの可能性をすごく感じたことがあります。というのも、成都基地へ撮影に行ったとき、シャンシャンは成都基地の管轄ではないにもかかわらず、スタッフが「シャンシャンはスターだ」と言ったのです。シャンシャンに限らず、パンダは僕よりぜんぜん格上。もう尊敬しています。

莟玉 僕もかなり羨望や憧れを持っています。存在するだけで、我々をここまで幸せにできるのはすごい。

中川 シャンシャンは中国に行ってからも人気で、連日、日本から人が会いに行っています。私は昨年10月に公開が始まって3日後に行ったのですが、現地にはもう日本から来た方がいて驚きました。シャンシャンがいる雅安基地(中国ジャイアントパンダ保護研究センター雅安碧峰峡基地)は、行きやすい場所ではないのですが。

莟玉 僕も早く会いに行きたくて。その日のために、基地までのルート紹介動画でイメージしています。シャンシャンの動画を見ていると、皆さん静かに観覧していますよね。

中川 うるさい人がいると、中国の人たちも「しーっ」と注意していました。

莟玉 桜浜・桃浜は成都基地に順応していましたか?

中川 はい。飼育員さんに中国語で名前を呼ばれたら反応していました。

2024.08.30(金)
文=中川美帆
写真=榎本麻美(パンダ)、松本輝一(人物)

CREA 2024年夏号
※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。

この記事の掲載号

猫のいる毎日は。

CREA 2024年夏号

猫のいる毎日は。

定価950円

人生に大切なことを猫は全部知っています。過去や未来ではなく、いまを生きること。必要なときに食べ、好きなときに眠ること。人に気を使いすぎないこと――。そう、猫は最高! それにしても、私たちはなぜこんなにも、この不思議な生き物に魅了されてしまうのでしょうか。1998年に日本の女性誌ではじめて「猫」を特集し、パイオニアだったCREAが、終わらない猫ブームが続くいま、12年ぶりに、猫と人との幸せな関係を紐解きます。