イギリス訪問中の雅子さまのファッションには共通点が
天皇皇后両陛下にとって、今年前半の大きなご公務となったのは、いまだ記憶に新しいイギリスご訪問でしょう。
中世の王侯貴族もかくやと思わせる、数多の衛兵を従えた絢爛たる馬車でのパレード。そしてイギリス国王の主たる住まいとなっているバッキンガム宮殿での、豪華でありながらシックな雰囲気を漂わせる晩さん会。
どれをとっても、子どもの頃に読んだ西洋のお姫さまが登場する、絵物語の世界のように感じた方は多かったのではないでしょうか。
そんな華やかなイギリス王室のおもてなしを受けた両陛下は、チャールズ国王やカミラ王妃と和やかに交流し、日英の友好に大きく寄与されました。
一連の行事が続く中、常に陛下の半歩後ろに寄り添っていらっしゃった雅子さまでしたが、身につけられたそのファッションには、実はイギリスへの敬意をこめた、あるメッセージが隠されていたように思えるのです。
チャールズ国王夫妻とお会いになる場で、雅子さまが着ていらっしゃったのは、透かし模様を編みこんだレースのお洋服でした。
歓迎式典では、レースをあしらったセットアップの上に、レースのコートを羽織り、帽子にもレースのリボンを使用なさっていました。また雅子さまは馬アレルギーのため、馬車パレードの時は白いマスクを着用されましたが、よく見るとそのマスクにも刺繍のようなレースが施されていました。
バッキンガム宮殿で開かれた晩さん会でも、雅子さまはレースのローブ・デコルテ姿で登場されました。その翌々日、チャールズ国王夫妻にお別れのご挨拶をなさった際にお召しになっていた淡いピンクのセットアップも、レースのデザインがアクセントになっていました。
2024.07.25(木)
文=つげのり子