家に仕事は絶対に持ち帰らない
――仕事の着手も全部早いタイプですか?
台本はいつもある程度は見て覚えて、撮影順によって前日に覚えていきます。家には仕事を持ち込まないと決めているので、撮影現場の待ち時間などで翌日のシーンのセリフを覚えます。
――家でやらないことは、決めているんですか?
アンケートとかも、必ずやってから帰ります(笑)。家だと仕事モードじゃなくなっちゃうから、セリフも覚えられなくて。だから絶対に外で、移動中、メイク中にとにかく根性で、頭に入れています。
――俳優業をやる上では、演じる人物の情緒の波を表現しないといけないわけですが、役の気持ちに入っていける・いけないなど、生見さんの個性に関係してきます?
それはあまりないかもしれません。お芝居では、その人の気持ちもわかりますし、ちゃんとその人になりきれるんです。
「カット」がかかると急に冷たくなる!?
――演じているときは、本当に気持ちがたかぶったりするということですね。
します、します。だから「カット!」という声がかかると、急に冷たくなったりするらしいんです。今の(ドラマの)現場でも、よく共演者の方に「急に怖い! やっぱり俺、嫌われてんのかな……」と言われています(笑)。「演じる」という楽しさでやっているので、ひきずるとかもあまりないから、「さっぱりしてるね」とも、よく言われます。
――たとえ厳しい演出をされたり、何度かリテイクがあったりしてもひきずらないですか?
はい。結局は終わるので。もちろん「何がダメだったんだろう」というのは考えながらやるんですけど、それで落ち込むとかはありません。怒られたような経験がまだないからかもしれないんですけど…。演技に置いて必要なこと、演技指導であれば怒られてもすごく燃えるんです。ただ単に「話を聞きなさい」とか自分に対して怒られるのは、めっちゃ嫌いですけど……(笑)。役に対して言われているなら「あ、そういう考え方だったんだ」という発見につながるのでありがたいです。
2024.08.01(木)
取材・文=赤山恭子
写真=平松市聖
ヘアメイク=菅長ふみ(Lila)
スタイリスト=伊藤ミカ