1998年に日本の女性誌ではじめて「猫」を特集し、パイオニアだったCREAが、終わらない猫ブームが続くいま、12年ぶりに、猫と人との幸せな関係を紐解きます。
「CREA」2024年夏号の「猫のいる毎日は。」特集。その一部を抜粋し、掲載します。
CREA 2024年夏号
『猫のいる毎日は。』
定価980円
病から回復後、愛猫が取った“驚くべき行動”
道で野良猫を見かけたら、必ず声をかけるというくらい、古川琴音さん一家は全員猫好き。小学1年生の時に、初めて猫と暮らし始めた。
「アメリカンショートヘアの男の子でポンという名前でした。聞かん坊で、遊ぶのが大好きなのに抱っこが嫌い。最初は弟みたいな存在だったのに、15歳の時に病気をしてから、すごく優しい大人の猫に変わったんです」
危篤状態になった日の2年後の同日、虹の橋を渡ってしまった。
「前夜にポンちゃんが自分と寝たことを毎朝自慢し合うような家族だったんです。それが、病気になった後、ポンちゃんは毎晩全員の部屋を回るようになりました。神様に2年間の命の猶予をもらって、家族全員に優しくしようと決めたんじゃないかってみんなで話していました」
ポンちゃんを見送った数年後、両親はカイくんとスミちゃんという兄妹猫を保護猫の譲渡会で譲り受けた。
「カイは短毛のシマシマで、スミは長毛の黒猫。カイは筋肉質で、ベランダの蝉を一発で仕留められるくらい狩り上手なのですが、スミは50センチの高さからもボテッと落ちてしまうくらい運動音痴。でもお嬢様気質でカイに対しては強気なんです」
2024.07.02(火)
文=黒瀬朋子
写真=柏田テツヲ
スタイリング=番場直美
ヘアメイク=伏屋陽子(ESPER)