この記事の連載
恵藤 文さんが常用する万能系のうつわ
![経年変化もたのしい木のうつわたち。右が須田二郎さん、左が加藤吉行さんの作。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/9/f/-/img_9faebfa985724ab6337b912373eebadb170064.jpg)
私が日常的に使っているもので、使いやすく、持っていて間違いのないものをご紹介します。まずは木のボウル。サラダをよく作る人におすすめです。木のものはボウルに限らず、経年変化が楽しい。使っているうちに、色も手ざわりも変わってきて、そこが味になるというか。
このボウルは直径が26センチぐらいあって高さもありますが、ふたり分の野菜を入れてちょうどいいぐらい。少し大きいかな、と思うぐらいが納まりはいいです。
![安藤雅信さんのうつわは、吸い込まれるような白さが印象的。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/a/e/-/img_aeef42050bad856b91f6256bc2fc0bda164120.jpg)
この白いリム皿は本当によく使っているもののひとつ。リム(皿のふちの部分)がしっかりとあることで余白が生まれて、盛りやすい。深さもしっかりあるので、盛ったときに決まりやすい。パスタやカレー、サラダにもいいし。日本の家庭料理の煮物とか、なんでも合います。
![万能に使えるシンプルなうつわは、手のひらで触った感じの相性を確かめて。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/c/c/-/img_ccb5887c985f627f8f55d4a810499f56116530.jpg)
丼(どんぶり)と、中鉢も万能系のうつわで、持っているとあれこれ活躍してくれます。この丼は直径が16.5センチぐらい。丼ものはもちろん、洋風のスープにもいいし、おかずの盛り鉢としてもいいですね。れんげがまた私にとって使いやすいサイズなんですよ。レンゲって、合う大きさが人によって微妙に違うものなんです。
中鉢は直径が20センチぐらいで、こちらも本当になんでも合います。スープや盛り鉢にいいですが、私は最近、これにパスタを盛りますね。一般的なパスタ皿よりも、年齢と共にだんだんと少し小さめのものが適するようになりました。白や乳白色のうつわは、いろんなものを盛りやすく、手持ちのものとも合わせやすいのがいいところです。
![一見地味なグレーの平皿は、様々な料理の色みを引き立ててくれる。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/e/1/-/img_e173bdb1e73468e71f6a54624f663924192970.jpg)
そして皿に陰影がある、濃いグレーのこのお皿も万能系なんですよ。直径は25.5センチぐらい、これも家族分を買いました。年末年始に家族が集まるとき、おそうざいやおつまみの盛り合わせをのせて楽しんでいます。グレーは料理の色を選ばない。どんなものも、納まりがいいんです。細々盛り合わせるだけでなく、どんと何か一品を盛るのにもいい。
![形や材質の異なるうつわがあれこれあると、食卓は小さなミュージアムに。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/e/8/-/img_e8cc43cd761052fc986b930bb4ed86f8198399.jpg)
![使う間に風合いが出てきた平盆、元は奥のような白さだった。共に生きるうつわを持ちたい。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/d/0/-/img_d0c326fa7d8a6485b0b943b355bb003e190215.jpg)
今回はうちで活躍してくれているメンバーの中から、特にオーソドックスで、使いやすいものを中心にご紹介しました。気に入ったうつわに出合ったら、まずは使い込んでみて、自分にとっての使いやすさを探ってみてください。
白央篤司
フードライター、コラムニスト。「暮らしと食」がメインテーマ。主な著書に、日本各地に暮らす18人のごく日常の鍋とその人生を追った『名前のない鍋、きょうの鍋』(光文社)、『台所をひらく 料理の「こうあるべき」から自分をほどくヒント集』(大和書房)がある。
https://www.instagram.com/hakuo416/
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Column
うつわのある暮らし
食を彩る素敵なうつわとともに日々を過ごす。憧れるけどなにから始めたら? フードライターの白央篤司さんが、「うつわのある暮らし」を始めるヒントを探りに、うつわの専門家を訪ねました。
2024.06.25(火)
文=白央篤司
撮影=平松市聖