この記事の連載

 同じ料理でも、うつわひとつで見え方や印象はガラッと変わるもの。買うときに「このうつわなら、どんなふうに見えるだろう?」と想像できれば、うつわ選びはグンと楽に。うつわによってイメージがどう変わるか、フードスタイリストの久保百合子さんに教わった。

「うつわひとつで食卓が変わる【ハンバーグ篇】」
「うつわひとつで食卓が変わる【パスタ篇】」


◆Vol.15 お話を聞いた人 フードスタイリスト・久保百合子さん

 フードスタイリスト。『きょうの料理』『オレンジページ』などの料理雑誌、レシピ本のスタイリングを長きにわたり手掛ける。そぎ落とされたシンプルなスタイリングで料理を引き立たせるその手腕に業界人のファンは多い。国内作家のうつわを中心に自身も幅広く食器を収集する。


うつわひとつで料理の見え方が変わる! サラダ篇

リムありの白の丸皿に盛るとレストラン風に

◆白い丸皿

 まず、白い丸皿にサラダを盛ってみました。いちばん一般的かつシンプルで、レストランでもよく見かけるスタイル。このうつわにはリムとよばれるふちがありますが、これがあると置いたときに安定感があり、落ち着いた印象になります。

 そして白といっても、いろんな白があります。みなさん、白にも好みってありませんか。洋服でイメージしてみてください。真っ白なもの、乳白色、ちょっとブルーがかったような白。あるいはパリッとした生地の白や、生成りの柔らかい白など。「白いシャツ」と聞いたとき、どんな色や手ざわりが浮かびますか。

 私は洋服とうつわの好みって、かなり似通うと思っています。白いシャツといっても、感触や色味は様々。洋服を選ぶときに考えるのと同じようなことを、白いお皿一枚を選ぶときにも考えて、好みを探ってみると、自然とみなさんの家になじみ、お持ちの家具などと調和しやすいお皿が選べると思いますよ。

 さて、同じサラダを今度は角皿に盛り替えてみましょう。

四角いうつわは食卓にいつもと違うリズムが生まれてくる

◆白と濃茶の角皿

 印象がガラッと変わりますね。お皿ってついつい丸皿を選びがちですが、四角いうつわをひとつ持っておくのもおすすめ。食卓に並べたときいつもと違うリズムが生まれてきます。このお皿、イッタラのティーマというブランドのグラタン皿なんですが、深さがあるのでサラダを盛っても映えますね。揚げた芋をごろっと盛るなんて使い方もよさそう。

2025.02.24(月)
文=白央篤司
撮影=平松市聖