2024年春、大分県の恵みを詰め込んだサステイナブルな10商品が誕生した。地域の自然と文化が融合した環境にやさしいこれらのアイテムは、自分用にもお土産にも、ちょっとした贈り物にも最適だ。
大分県の政策から生まれた地元の逸品
大分県は、県産品の価値向上と企業の競争力強化を目的とした「県産品魅力再構築推進事業」の一環として、大分の豊かな自然と文化を活かした商品開発プロジェクトを昨年スタート。サステイナブルに配慮した取り組みを展開する県内事業者を10社選定し、商品開発から販売までのサポートを行っている。
選定された10社は、ワークショップを通じて社会的意義や事業目的を明確にし、プロジェクトチームと共にリブランディングや商品開発を実施。そうして生まれた商品は、大分の豊かな自然と多様な文化が融合した逸品ばかりで、洗練されたデザインと手に取りやすいパッケージのサイズも魅力だ。
これらのサステイナブル商品は、公式オンラインストア『GIFTs from OITA』にて4月より順次発売中。大分の自然の恵みと文化を感じながら、日常にちょっとした贅沢を取り入れてみてほしい。
地元の旬食材を瓶に詰め込んだピクルス
◆由布院ピクルス(草庵秋桜四季工房/由布市)
大分県の旬の素材をたっぷり詰め込んだ瓶詰めのピクルス、「由布院ピクルス」。由布院でピクルス店を営む「草庵秋桜四季工房」が、車で約30分、半径30km圏内の「ご近所」で収穫された、旬の野菜や果物を丁寧に加工したものだ。
野菜のピクルスはベースに橙酢、穀物酢、白ワインを、フルーツのピクルスにはりんご酢を使い、まろやかな酸味と素材本来の色みが長期間保てるよう作られている。
由布院の名を冠するこのピクルスは、地域の誇りと生産者の思いが詰まった逸品。地域のハブとなっている由布院同様、生産者と消費者を結ぶ役割を果たし、地域の文化を伝える語部として活躍する。
草庵秋桜四季工房
所在地 大分県由布市湯布院町川上1482-1
電話番号 0977-85-4311
https://shikikoubou-yufuin.com/
小倉餡をサンドしたやわらかい「うすきせんべい」
◆うすきさんど(後藤製菓/臼杵市)
ユネスコ食文化創造都市の認定都市・臼杵市で「食べられる工芸品」として愛され続ける「うすきせんべい」。生姜の風味を取り入れたこのせんべいは、かつて生姜の一大産地だった臼杵市で、地元の味として親しまれてきた伝統銘菓。一つひとつ生姜と砂糖を合わせた蜜が手塗りされており、素材の風味と職人の手仕事の美しさが引き立っている。
老舗煎餅店「後藤製菓」ではこのうすきせんべいに小倉餡をサンドし、従来は固めの食感のうすきせんべいをやわらかく仕上げ、食べやすさを追求。この商品には、ヒトや企業、地元の素材などを「さんど」していきたいという思いも込められている。
自社で有機栽培も行うなど、「不易流行」をモットーに安心して味わえる商品を提供する後藤製菓。うすきせんべいを通じて、地元の食文化を次の世代に継承してゆく。
後藤製菓
所在地 大分県臼杵市深田118(本店「石仏会館」)
電話番号 0972-65-3555
https://usukisenbei.com/
2024.06.14(金)
文=佐藤由樹