“ギジェット”の愛称で親しまれたマリブのサーフィン少女

 「マリブ ビーチ イン」のすぐ西側、マリブ・ピアを境にしたサーフライダービーチは、「セーブ・ザ・ウェーブ」が世界ではじめて認定した“世界サーフィン保護区”。

 カリフォルニアの中でも指折りのサーフスポットで、ゆったりした波にのんびり乗っているサーファーや波待ちをしているサーファーたちの姿が見られます。

 サーフィンにまつわる歴史をさかのぼると、マリブ農場があった頃から敷地に不法侵入して波乗りの練習をする輩がいたそう。あのマリリン・モンローもここで波乗りを楽しんだとか。

 そんなマリブビーチがカリフォルニアのサーフカルチャーの中心だったのは1950~60年代。その最重要人物といえるのが、キャシー・コーナーでしょう。

 “Girl(女の子)”と“Midget(小さな人)”を組み合わせた“ギジェット”の愛称で呼ばれた彼女は、いわば健康的な小悪魔といった感じ。マリブビーチで波乗りをする少年たちの楽しそうな様子とサーフィンに興味津々で、ピーナッツバターのサンドイッチと交換に、レッスンをしてくれないかと提案したそう。

 自分のカラダの2倍はあるロングボードを抱えたギジェットを囲んでいたのは、ミッキー・ドラやミッキー・ムニョス、トム・モーリーなど、その後のサーフカルチャーに多大な影響を与えた、今ではレジェンド中のレジェンドになった男たちでした。

 脚本家だったギジェットの父は、彼らの様子やサーフカルチャーを小説に描き、その本は瞬く間にベストセラーに。映画化もされ、これがハリウッドで最初のサーフィン映画となりました。さらに、テレビドラマ化も!

 マリブのサーフカルチャーを表舞台に引き上げた彼女。今もマリブ・ピアで髪に花をつけた元気なおばあちゃんを見かけることがあるとか。もしかしたら、ギジェットかもしれませんね。

マリブビーチ

●アクセス ロサンゼルス国際空港から車で約45分
●おすすめステイ先 マリブ ビーチ イン
https://jp.lhw.com/hotel/Malibu-Beach-Inn-Malibu-CA
日本での問い合わせ先:
ザ リーディングホテルズ オブ ザ ワールド 0120-086-230

取材協力
Visit California https://www.visitcalifornia.com/jp/

古関千恵子(こせき ちえこ)

リゾートやダイビング、エコなど海にまつわる出来事にフォーカスしたビーチライター。“仕事でビーチへ、締め切り明けもビーチへ”をループすること30年あまり。
●オフィシャルサイト https://www.chieko-koseki.com/

Column

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2024.04.20(土)
文・撮影=古関千恵子