この記事の連載
- 鈴木 曉インタビュー【前篇】
- 鈴木 曉インタビュー【後篇】
恋愛ができなかった理由は「将来、芸能界に入るなら…」
―― 一見すると、鈴木さんはすごくモテて仕方ない学生生活を送ったのかと思っていたんですが、お話を聞いていると、もしかして……。
モテていません(即答)。違います、本当にそうなんです。男と遊んでたりするほうが楽しかったというか。女性といると緊張するんですよね……。シャイだったんですかねえ……? だから高校時代も付き合っていないですし、恋愛できなかったですね。
――「好きです」と告白されてもダメだったんですか?
なんか……ダメでしたね。「嘘じゃないか?」みたいに疑ってしまって。高校時代、先輩に気に入ってもらえて遊びに誘われたりしたんですけど、なんか恥ずかしくて断ったりしちゃいましたね。
あと、実は変に意識していたところもあったんです。高校のときからアーティストになりたいという夢は持っていたので、「将来、芸能界に入るなら付き合ったりしちゃいけないのかな?」と勝手に思い込んでいたんです。だから付き合わないようにしていた自分がいたのかもしれないです。強がりだったかもしれないけど(笑)。
――高校生のときにはすでに今の道を希望していたそうですが、もともとアーティストになりたいと思ったきっかけはお兄さんの影響以外にありますか?
お兄ちゃんもですけど、清木場俊介さんというアーティストが大好きで自分も歌手になりたいと思うようになりました。楽曲はもちろん、清木場さんの生き方がめちゃくちゃ好きで。自分も清木場さんみたいなロックな男になりたい、とすごく思っていました。清木場さんはソロになってから、宮城にライブに来てくれて、毎回行っていたくらい大好きなんです。僕が字を書くのが好きなのも、清木場さんの影響を受けています。
――実際、現在は見事デビューされていますが、高校卒業後の上京についてご家族の反対等はなかったんですか?
まずお兄ちゃんには……特に何も相談しませんでした。お兄ちゃんは家族なんですけど、友達のような感じもあって、お互いに相談は本当にしないんですよね。
母親は「好きに生きなさい」というタイプの人なので、「高校を卒業したら家を出て自立してね」という風にも言われていたんです。「好きなことをしてもいい、ただし人様に迷惑だけはかけないでね」と。
――信頼されていたんですね。その後、デビューまではどんな道をたどったのでしょうか?
上京した当初は寮に住んで、アーティスト養成所に1年間通っていました。そのときは引越しのアルバイトもしていました。
東京は、地元とは全然違いましたね。とにかく電車が来るのが早い。人も多いですし、渋谷なんて毎日お祭りみたいな感じじゃないですか。スクランブル交差点のあたりとか、今でも思うなあ……。場所によっては空気が合わないのか、最初は新宿に行くとお腹が痛くなったりもしていましたね(苦笑)。
その後、1~2年くらいはレッスンを受けながらカラオケ屋のアルバイトをする生活を続けていたんです。それで、今のグループのオーディションを見つけたので、受けたら……今に至るという。本当に、自分はラッキーボーイすぎると思っています。
2024.02.21(水)
文=赤山恭子
撮影=佐藤 亘