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一つとして同じものが存在しない、表情豊かなヒビ粉引

 安曇野で作陶している増田勉さんによる、「ヒビ粉引(こひき)」のうつわ。

 うつわの表面に入ったヒビは、赤土に白い化粧土を施し、透明釉をかけて焼成する「粉引」の工程の中で自然に生まれるもの。一枚一枚異なる表情があり、豊かな温もりを感じさせてくれる。

「やや深さがあるうつわは、中心にこんもりと盛り付けることで華やかに見えます。煮物やサラダ、韓国料理……ジャンルを問わず、色々なお料理と相性がいいうつわです。あえて余白を多く残して、レストランのように盛っても素敵です」(刀根さん)

●教えてくれたのは……
うつわshizen 刀根弥生さん

うつわ好きのお母様の影響を受け10代からうつわに興味を持ち始める。20代ではうつわ屋で開催されていた雨宮ゆかさんの花教室を通して、本格的に仕事にしたいと思うように。青山「うつわ楓」の姉妹店として2006年にオープンした「うつわshizen」は、2018年に独立。“自分が使いたいもの”をテーマに、陶器や磁器、漆器、ガラスなど食卓を彩るさまざまなうつわを扱う。

うつわshizen

所在地 東京都渋谷区神宮前2-21-17
電話番号 03-3746-1334
http://utsuwa-shizen.com/

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2023.12.09(土)
文=河西みのり
写真=平松市聖