夏に嬉しい軽い食感と風味があとを引く

 幼いころの自分を知る親や親戚との再会は、どこか照れくさいもの。そんな帰省にまつわる気持ちを和らげ、会話を手助けしてくれるのが、明治創業の老舗菓子商社が手掛ける「日本橋錦豊琳」の「かりんとう」だ。

 最大の魅力は、味のバリエーション。例えば、トラディショナルな「胡麻」は、胡麻入りの生地に煎り胡麻、すり胡麻をまぶした香ばしさあふれる一品。自然な甘みがクセになる「むらさきいも」や、5種類の野菜の風味に少し塩を効かせた「野菜」など、定番だけでも9種類の味が揃い、そこに季節の味が2~3種類加わる。

 それぞれの味によって、太さや蜜のかけ方、まぶすザラメ粒の大きさなどを変えているため、カリカリ、サクサク、ポリポリと、さまざまな食感や口溶けが楽しめるのもいい。ベースの生地には、厳選した国産小麦のみを使用。じっくりと発酵させてから3度揚げすることにより、素材本来の風味と軽やかな食感を生んでいる。何度食べても飽きない味は、職人技のたまものだ。

 ギフトで人気なのは、食べ切りサイズの小袋の詰め合わせ。相手の人数を問わず、湿気の多い夏でも、いつも開けたての味が楽しめる。黒を基調としたシックなパッケージが、丁寧な気持ちを伝えてくれるだろう。確かなおいしさに、ほどよい遊び心とセンスが光る「日本橋錦豊琳」の「かりんとう」。まさに“間違いのない”手みやげだ。

◆海苔と納豆の名コンビ〈納豆海苔巻き揚げ煎〉

国産海苔の風味があとを引く揚げ煎。国産米をカリッと香ばしく揚げ、フリーズドライ納豆の粉末をまぶして納豆のネバネバを再現。湿気を防ぐ個包装タイプが嬉しい。

日本橋錦豊琳 小伝馬町本店

江戸の昔から、人・物・文化の集まる日本橋小伝馬町にある本店。かりんとうをはじめ、素材と製法にこだわった米菓など、親しみやすく上質なお菓子が並ぶ。本店限定品、本店限定の詰め合わせ箱もあるので要チェック。

所在地 東京都中央区日本橋小伝馬町16-14
電話番号 03-6661-1472
営業時間 9:30~18:30
定休日 第1・最終土曜、日曜、祝日


オンラインショップも便利

かりんとうは定番9種類のほか、期間限定品、ギフト限定品も揃う。思いついたときにすぐオーダーできるので、返礼にもおすすめ。
https://nishikihorin-shop.com/


●お問い合わせ

日本橋錦豊琳
電話番号 03-6661-1472
https://nishikihorin.com/

2024.06.14(金)
文=伊藤由起
写真=田村昌裕
スタイリング=中山暢子

CREA 2024年夏号
※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。

この記事の掲載号

猫のいる毎日は。

CREA 2024年夏号

猫のいる毎日は。

定価950円

人生に大切なことを猫は全部知っています。過去や未来ではなく、いまを生きること。必要なときに食べ、好きなときに眠ること。人に気を使いすぎないこと――。そう、猫は最高! それにしても、私たちはなぜこんなにも、この不思議な生き物に魅了されてしまうのでしょうか。1998年に日本の女性誌ではじめて「猫」を特集し、パイオニアだったCREAが、終わらない猫ブームが続くいま、12年ぶりに、猫と人との幸せな関係を紐解きます。