この記事の連載
うつわのある暮らしには憧れるけれど、どんなアイテムが使いやすいんだろう……? うつわを手軽に、上手に暮らしに取り入れるためのヒントを求めて、達人たちを訪ねました。
◆Vol.6 お話を聞いた人 萩原梨絵さん

うつわと生活雑貨の店「KOHORO」東京・二子玉川店の店長。百貨店のキッチンおよびインテリア部門勤務を経て入社する。店で取り扱うものはすべてスタッフ全員が実際に使用し、デザインのみならず機能性を吟味した上で仕入れを決めている。「美しくて、長く使えるものを」がお店のモットー。
丈夫な磁器が使いやすいと思うんです

デザインの良さはもちろんとして、「扱いやすいもの」で「活躍の幅の広いもの」を、というご要望がうちのお客様には一番多いんです。となるとやはり、磁器が使いやすいと思うんですね。使っているうちに欠けてしまうのではないか、と気にされる方が多いのですが、磁器はその点丈夫なのが特徴で。
こいずみみゆきさんの磁器をご紹介します。シンプルなデザインで、ちょっとグレーがかった白。この色が使いやすいんです。和洋中と料理を問わず、朝昼晩と時間帯もオールマイティに使える。真っ白というのは使いやすいようで、意外と料理がのらないというか、浮いてしまうことがあるんです。汚れが目立ちやすいということも。

五寸(約15センチ)、六寸(約18センチ)、七寸(約21センチ)の3タイプありますが、五寸ならケーキやパン用のお皿、あるいはお子さん用のお皿や取り皿に。六寸はメインのおかず、いわゆる主菜をのせるもの。私の場合は、六寸のお皿におかず2種を盛り合わせることが多いです。魚の切り身の焼いたのと、炒めものを盛り合わせるとか。七寸ならパスタやカレーなどを盛るのに適しています。
まずはひとつお試しで買われてみて、自分の生活に合うかどうか、体験しつつ感じて、考えてみるのがいいのではないでしょうか。詳しく申しますと、お持ちの食器や、ご自宅のインテリアとなじむかどうかを見てみる。また、食器をのせる食卓の感じや色みと合うかどうか、といったことを感じてみてほしいですね。

次に加えるとしたら、ボウルをおすすめします。これは径が16センチ、深さが6.5センチという大きさが絶妙で、丼ものや麺ものはもちろん、サラダボウルとしても使い勝手のいいサイズです。意外なところでは、かき氷なんかにもいいですよ。
忙しいときは、ごはんを入れて作り置きの炒めものをのせ、レンジでチンして1食にする、なんて使い方をされる方も。
色合いに関しては、茶や黒はクリームシチューなどによく合います。濃い色は葉野菜もよく映えるのでサラダなどにも適しています。白はカレーが特にいいですね。お持ちのマグカップの色との相性を考えて買われるのもおすすめ。
2023.08.13(日)
文=白央篤司
撮影=平松市聖