この記事の連載

 作家さんの手による、ぬくもりのあるうつわたち。生活に取り入れてみたいけれど、どんなものから加えていけばいいだろう――?

 「うつわのある暮らし」を始めるヒントを探りに、うつわの専門家を訪ねました。


◆Vol.3 お話を聞いた人 栗原悠太さん

 「日本の手仕事 暮らしの道具店 cotogoto」バイヤー。学生時代から和雑貨に興味を持ち、大学卒業後に入社。日本の暮らしに調和する良質なプロダクツを全国から仕入れている。食器および調理道具、また家事に関する道具類の全般を取り扱う。


慣れてきたらうつわの経年変化も楽しんでほしい

 うつわには大きく分けて磁器のもの、陶器のものがあります。

 違いも細かく言うといろいろあるのですが、はじめてうつわを買おうと思っている方なら磁器のうつわが扱いやすいと思います。食洗機やレンジにかけるのも基本的に大丈夫で、経年変化がほぼありません。

 磁器の一例として、当店で人気のものをご紹介します。佐賀県の有田焼で、「JICON 磁今」というブランドのもの。有田焼というと青みがかった白色のものが多いのですけれども、こちらのものは生成りがかった温かみのある色が特徴です。デザイン的に、ジャンルを問わず様々な料理が盛りやすいのも魅力です。

 最初に買われるならば、直径の大きさで7寸程度(21センチ前後)と5寸程度(15センチ前後)のもの、それぞれ1枚ずつあると便利だと思います。7寸のものはパスタ皿やカレーなどのお皿として、あるいはメインのおかずをのせるのに向いています。5寸のものは取り皿として、またはケーキなどをのせるのに適しています。

 そこから買い足していくとすれば、好みにもよるでしょうが、例えばこのような花をモチーフにしたデザインのものが1枚あると、食卓も華やぎます。

 あとはもう遊び心というか、好きなもの、持っていたくなるものを選ばれるといいのではないでしょうか。小皿類などは値段も手頃で、シンプルに「かわいいから」と買い集めるお客様が多いですね。

2023.05.20(土)
文=白央篤司
撮影=平松市聖