この記事の連載
はじめてのお椀ならウレタン塗装の木製のものがおすすめ
![うつわにほどこされた意匠や色みもいろいろ、見ていて飽きない。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/8/8/1280wm/img_88860e2d2be26a8861995ffb9e670707133822.jpg)
普段、和食が多い方ならごはん茶碗と味噌汁用のお椀から買われるのもいいかと思います。直径は4~5寸ぐらい、少し小さめのものに軽くごはん盛ると、ふっくらした食感のまま楽しめますよ。ちなみに僕は、ごはん茶碗を10個ほど持っていて、その日の気分で使っています。
![ごはん茶碗は深さのあるものから、浅めのものまでデザインもいろいろ。浅いものは平茶碗と呼ばれ、煮物やおかずを盛るのにも適する。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/b/9/1280wm/img_b9a88bb8277a8bb247fb51919236ee38103010.jpg)
![実際に手ざわりを感じて、持ってみたときのインスピレーションを大事にして。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/4/d/1280wm/img_4d0c8c5333868cfeec6e23483369cbf554510.jpg)
![「質問などあれば気軽にスタッフに聞いてくださいね」と栗原さん。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/4/3/1280wm/img_43d5c30185794471bb691ebaa0f0c0c772344.jpg)
汁物用のお椀なら、値段もお手頃で扱いやすいウレタン塗装の木製のものがいいかと思います。木のものは、手に持ったときの温かみがやはり違いますね。愛着もわきやすいものです。割れなくて、熱伝導率が低いから熱いものを入れてもお椀自体が熱くならず、持ちやすいという利点もあります。ただ濡れたままにしていると、カビや黒ずみが発生することも。手間ではありますが、すぐに洗ってその都度拭かれることをおすすめします。
![栗原さんお気に入りの一品、瀬戸本業窯の中鉢。「手なじみがよくて、日頃よく使っているうつわのひとつです」。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/d/e/1280wm/img_de8dbf84bc08f76584572aa883f7c059109290.jpg)
余談ですが、僕自身は陶器のうつわを多く使っています。陶器というのは磁器に比べると経年変化があるんですね。使い続けるうちに、しみや黒ずみなどが生まれやすい。磁器というのは粒子が細かくガラス質のため、陶器よりもそういうものが発生しにくい。つまり、買ったときと同じ状態を保ちます。
![陶器はひとつひとつ「表情」が違うもの。年々風合いも変わる、そこがたのしい。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/2/e/1280wm/img_2e376787961baf0a56d7eb9b8eeee3e776435.jpg)
ただうつわにだんだん慣れてくると、陶器のそういう経年変化も「使い込んできた歴史」というか、うつわの「景色」として楽しもうという気持ちになってくるんです。もし興味がわいたら、ぜひ陶器のうつわも手に取ってみてください。
日本の手仕事 暮らしの道具店 cotogoto
所在地 東京都杉並区高円寺南4-27-17-2F
電話番号 03-3318-0313
営業時間 11:00~19:00
定休日 無休
https://cotogoto.jp/
白央篤司
フードライター。「暮らしと食」をテーマに、忙しい現代人のための手軽な食生活のととのえ方、より気楽な調理アプローチに関する記事を執筆する。近著に『台所をひらく 料理の「こうあるべき」から自分をほどくヒント集』(大和書房)がある。
https://www.instagram.com/hakuo416/
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Column
うつわのある暮らし
食を彩る素敵なうつわとともに日々を過ごす。憧れるけどなにから始めたら? フードライターの白央篤司さんが、「うつわのある暮らし」を始めるヒントを探りに、うつわの専門家を訪ねました。
2023.05.20(土)
文=白央篤司
撮影=平松市聖