この記事の連載

 作家さんの手による、ぬくもりのあるうつわたち。生活に取り入れてみたいけれど、どんなものから加えていけばいいだろう――?

 「うつわのある暮らし」を始めるヒントを探りに、3人のうつわの専門家を訪ねました。3回に分けてお届けします。


◆Vol.2 お話を聞いた人 松井英輔さん

 「暮らしのうつわ 花田」二代目店主。「よいうつわは食卓を豊かにし、よい食卓は暮らしを豊かにする」をモットーに、陶磁器をはじめガラス、木工、金工のうつわや食卓小物を全国から幅広く仕入れている。交流のある作家、工房は400を超える。


「使うもの」「好きなもの」「ストーリー」の3つから考えるといい

 私たちがお店でお客様にうつわをすすめるとき、考えることは「使うもの」「好きなもの」「ストーリー」の3つなんです。

 まず「使うもの」というのは、お客様が実際の生活でどういうものを使われているか、ということですね。たとえば普段よく飲まれているものは何か。コーヒー党の方に湯呑みをおすすめしてもしょうがない。買っていただいてゴールではなく、買われてからがスタートなわけですから。

 「いつも何を食べることが多いか」「よく食べている料理を盛りやすそうなものは何か」、最初に何か買われるのであれば、そういったことをまず考えてみると、いいんじゃないでしょうか。はずれがないと思うのは、マグカップとごはん茶碗ですね。手や口に触れる時間が長いので、手ざわり、口当たりの良さを感じやすいものです。

2023.05.02(火)
文=白央篤司
撮影=平松市聖