役作りの過程が、僕にとっては何より楽しい時間
――俳優としてデビューして3年目。俳優という仕事に楽しさややりがいを感じるのはどんな時ですか?
どんな仕事であれ、人は、成果が表れた時にやりがいを感じるものですよね。僕も一生懸命準備した作品が完成した時、「ああ。この仕事についてよかった」と思います。
カメラの前で演技をすることももちろん楽しいですが、キャラクターを分析したり、過去の類似作を観たりして新しいことを学んだりする役作りの過程が、僕にとっては何より楽しい時間です。
――どのように俳優の道に入られたのでしょうか?
実は僕は、高校生のころまで極度のあがり症で、人前に出るのが苦手だったんです。いわゆるステージ恐怖症です。だけど、幼い頃から俳優という職業には憧れがありましたし、人生の中で大きな冒険ができるのは学生時代だけだと思い、高校三年生に上がるとき、勇気を振り絞って、演技スクールの門を叩きました。
実際にやってみると、やはり簡単ではありませんでしたね。人前に立つと何も言えなくなってしまって、自己嫌悪に陥るという日々が随分長く続きました。それでもスクールに通ううちに、演技の楽しさや楽しむ方法を知るようになり、それに伴い、ステージに対する恐怖心も少しずつ消えていきました。
――『ミュージックバンク』を観ているといつも堂々としているので、ステージ恐怖症だったとは意外です。撮影現場で大事にしていることはなんですか?
“感情コントロール”と体調管理です。心も体もコンディションが良くないと、いい演技は見せられませんから。気分がダウンしている時には、ノリのいい音楽を聴いたり、監督や共演俳優の方々と話をしたりして平常心を取り戻すようにしています。
学生時代は引っ込み思案で教室の隅にいるタイプ
――共演者の方とはすぐに仲良くなれるタイプですか?
僕、人見知りなんです。学生時代も引っ込み思案で教室の隅にいるタイプだったし。自分から人に話しかけたりするのは、今でも苦手です。でも、共演者の方々は、“俳優”という共通点があるので、話に共感できる部分も多いし、悩みも分かり合えるので、比較的早く仲良くなれる気がします。
――ドラマではチョ・ヨジョンさん(『ハイクラス』)やチョン・ドヨンさん(『イルタ・スキャンダル』)といったベテラン俳優さんと共演してきました。大先輩に話しかけるのは特に勇気がいりますよね(笑)
(笑って)そう……ですね。今はありがたいことに先輩から声をかけてくださることが多くて甘えてしまっているのですが、そこはこれから僕が努力していかなければいけない部分だと思っています。
2023.12.09(土)
文=酒井美絵子
撮影=榎本麻美
ヘアー=EZ
メイク=CHOI SEONHYE
スタイリスト=KWON EUN JUNG