なんと元はシードル工場だった「弘前れんが倉庫美術館」

 弘前出身の美術家、奈良美智氏の作品展示でも話題の「弘前れんが倉庫美術館」は2020年のオープン以来、展示作品とともに煉瓦造りの建物の独自性で注目されています。1923年に日本酒工場としてスタートし、1954年にはシードル工場となり(前ページの「アサヒシードル」はこの地で誕生)、1965年まではニッカウヰスキー弘前工場がこの地で操業していました。

 「記憶の継承」「風景の再生」をコンセプトに、築100年を超える煉瓦造りの建物の姿を活かして現代アートの空間として生まれ変わりながらも、かつてシードルを製造していた時代の名残が随所にみられるので、訪れた際には「元シードル工場だった」という視点で鑑賞するのも楽しそうです。

弘前れんが倉庫美術館

所在地 青森県弘前市吉野町2-1
電話番号 0172-32-8950
開館時間 9:00~17:00
定休日 火曜
https://www.hirosaki-moca.jp/

 りんごの収穫体験やシードルづくりに携わる人々との出会いを通じて、弘前はりんごを大切に、りんごと共に歩んできたことを実感。シードルはアルコール度数も3~5度と低めで飲みやすく、陽の高い日中に味わうのが似合います。

 最近ではパッケージも凝ったものや愛らしいタイプも多いので、人と集まるシーンでも盛り上がること請け合い。まずは味わってみて好みのタイプをみつけて、徐々に料理との相性なども発見してみて。シードルのある暮らしをぜひ楽しんでください。

2023.11.14(火)
文=CREA編集部
写真=榎本麻美