◆『トリリオンゲーム』『CODE ―願いの代償―』の鈴木浩介
実はいい人、が共通項? 名バイプレーヤーの面目躍如
2023年の夏クールで、ふたつのドラマに出演しているのが鈴木浩介さん(以下敬称略)。
ひとつは『トリリオンゲーム』(TBS系列)のゲームプロデューサーで、もうひとつはすでに最終回を迎えた『CODE ―願いの代償―』(読売テレビ・日本テレビ)での刑事役。
『トリリオンゲーム』では、大ヒットゲームを生んだ天才ゲームプロデューサー・蛇島透役。
常にハイテンションで、いいゲームは金が稼げるゲームと豪語する拝金主義者のようで、一度は主人公たちと決裂するのですが、いいゲームとは何か、自分はどんな仕事をしたいのかを主人公たちが思い出させてくれた、と、最終的に彼らに協力することになる、という展開に。その心情の変化を語る熱いスピーチのシーンは、視聴者の心を打ちました。
かたや『CODE ―願いの代償―』では主人公二宮湊人(坂口健太郎)のよい先輩上司・田波秋生。のはずが、途中までは婚約者の殺害に関わっていた極悪人……かと思わせて、実は無実だった、と印象が二転三転する役。
途中までは筆者も、ああ、やっぱり彼が悪いのか……とまんまと騙されていき、いや違った、やっぱり悪くなかった、ていうか、え! 死んじゃうの!? と翻弄されまくりました。
どちらの役も、実はいい人、というのがギリギリまで読めないのは、やはり彼の演技力が高いからだと思います。
彼もいまや誰もが一度は見たことがある、というくらい多くの人気ドラマや映画に出演している人気の俳優ですが、舞台出身で近年も舞台に出演しています。
一躍有名になったのは、キノコヘアがトレードマークで、大声で主人公を罵倒する『LIAR GAME』(フジテレビ系列)のフクナガユウジ役。このキャラが強烈過ぎたため、一時期我が家で彼の呼び名はそのまんま「キノコ」でした。
そんなエキセントリックなキャラクターも上手いけれど、『昼顔~平日午後3時の恋人たち~』(フジテレビ系列)で演じていた、中性的で穏やかでちょっとキモイ夫役の説得力が高かったり、『緊急取調室』シリーズ(テレビ朝日系列)では、速水もこみち演じる渡辺鉄次とコンビを組んでいる刑事・監物大二郎(通称モツナベコンビ)で、ラフな男くささを感じさせたりと、年を経るごとに役柄の幅もかなり広がっています。
比較的最近では、大ヒットしたドラマ『ブラッシュアップライフ』(日本テレビ系列)で、電車内で起きた痴漢冤罪を背負わされ、人生をやり直し中の主人公・麻美(安藤サクラ)に助けられる哀れな教師役を好演していました。
今後もバイプレーヤーとしての活躍はもちろん、主演もぜひ見てみたいおじさん俳優のひとりです。
『トリリオンゲーム』
毎週金曜よる10時放送(TBS系列)
https://www.tbs.co.jp/trilliongame_tbs/
Instagram:@trillion_tbs
『CODE ―願いの代償―』
毎週日曜よる10時30分放送(読売テレビ・日本テレビ)
※9月3日(日)で放送終了
https://www.ytv.co.jp/code/
Instagram:@code_ytv
どのドラマも後半戦ではありますが、見逃し配信などもあるので、ぜひこの夏のおじさん俳優たちの頑張り、好演を見てほしいと思います。
2023.09.08(金)
文=斎藤真知子