#5 実は、まるごとベビーフェイスになれる UNMIXの企み
キューピー顔を作ると言う意味ではなく、赤ちゃんの生まれたての質感やピュアな生命感をそっくり模倣することで透明感や清潔感を作るなら、知る人ぞ知るUNMIX(アンミックス)を試したい。こちらNYを拠点とするメイクアップアーティスト吉川康雄氏のブランド。一般的なメイクブランドのように品数や色数を揃えるのではなく、必要なものを必要なだけ。
それもメイクのための表現じゃない、最も自然に美しく見える顔に強くこだわり、まつ毛に見えるアイライン、毛の自然なツヤを作るマスカラ、肌内から湧き上がる血色ならぬ紅潮を作るチークと、どこまでも素顔なのにハッとするほど力強い、まるごと赤ちゃん級のピュアな顔への独特なナチュラルメイク提案なのだ。しかもフレッシュ感こそがエロティックな印象を作る鍵となるパラドックスがあることもお忘れなく。
UNMIX
電話番号 03-3375-0233
https://unmixbeauty.com/
#6 なぜベビーオイルやベビーパウダーに大人の女は癒される?
昔から、ベビーオイルなどのベビー用品がびっくりするほどのベストセラーであるのも、赤ちゃんのみならず大人の女が使っているから。いわゆる敏感肌の人が好んで使うのはもちろん、もともと大人の女性にはエイジングケアの究極の目標として赤ちゃん肌への憧れがあるのは言うまでもないこと。もっと言うなら、赤ちゃん用のものを使うことで、疲れた自分を癒してあげたいという深層心理が働くのだとも。
実はこれも赤ちゃんのように触れられたい、だから赤ちゃん用のものを身に纏うという、ある種の本能。オキシトシンの分泌を自ら促すような生理作用なのではないか。自分自身を赤ちゃんのように扱う赤ちゃん美容によって、心身を癒す休息もあるのを覚えておこう。
齋藤 薫 (さいとう かおる)
女性誌編集者を経て美容ジャーナリスト/エッセイストに。女性誌で多数のエッセイ連載を持つほか、美容記事の企画、化粧品の開発・アドバイザーなど幅広く活躍。
Column
齋藤 薫 “風の時代”の美容学
美容記事の企画、化粧品の開発・アドバイザーなど幅広く活躍する、美容ジャーナリスト・齋藤薫が「今月注目する“アイテム”と“ブランド”」。
2023.09.23(土)
文=齋藤 薫(美容ジャーナリスト)
Photographs=Jiji Press, Jiji Press Photo