梅酢を使った夏バテ対策料理を作ろう!

 繁忙期の乗松さんの健康を支える、夏の定番料理を教えていただきました。食欲が減退しがちな今こそ、梅酢のすっきりとした酸味を楽しんで。

◆トマトのマリネサラダ

 私の夏の常備菜のひとつが「トマトのマリネサラダ」です。30年ほど前から作っていますが、和食出身の私にとってオリーブオイルを使うことは大革命でした。梅酢を加えると昔のトマトのような濃厚な味わいに蘇ります。梅酢に含まれるアントシアニンとトマトのリコピンの抗酸化作用で、紫外線が気になる季節にいいようです。

●材料(作りやすい分量)

・トマト:2個
・プチトマト:150g
・赤玉ねぎ:2個

A
・オリーブオイル:150ml
・赤梅酢(白梅酢でも可):70〜100ml
・濃口醤油:大さじ1
・塩・粗挽き胡椒:各少々

・イタリアンパセリ:適宜
・バジル:適宜

●作り方

(1)トマトは湯むきにして厚さ1センチに切る。プチトマトも湯むきする。赤玉ねぎは薄切りにする。

(2)Aにトマトを切ったときの汁を加えて混ぜ、漬け汁を作る。

(3)容器にトマト、プチトマト、赤玉ねぎ、漬け汁を入れて冷蔵庫で2~3時間冷やす。

(4)器に盛り、イタリアンパセリとバジルを散らす。

◆しそごはん

 赤梅酢を使うとご飯がふっくらと炊き上がり、甘味と旨味が増します。青しその爽やかな香りが、食欲をそそります。梅酢の防腐効果で、夏場はおにぎりやお弁当のご飯にも安心です。

●材料(作りやすい分量)

・白米:3合
・赤梅酢(ご飯用):大さじ3
・青じそ:10〜20枚
・赤梅酢(しそ用):適量

●作り方

(1)白米は研いで30〜1時間浸水させる。青じそは細切りにし、梅酢に浸けておく。

(2)炊飯器に白米を入れ、水(分量外)を3合の目盛りまで注ぎ、赤梅酢を混ぜ、炊飯する。

(3)白米が炊き上がったら、青じそを絞ってご飯に混ぜ、茶碗によそう。

乗松祥子(のりまつ・さちこ)

1940(昭和15)年愛媛県生まれ。茶懐石料理店「辻留」銀座店に20余年勤務したのち、鎌倉・小町通りの日本料理店「味路喜」の責任者を務める。その後、50歳で代官山ヒルサイドテラスに日本料理店「延楽」を開店。70歳から杉田梅専門店「延楽梅花堂」を経営。50年以上に渡って梅仕事を続けている。杉田梅を未来につなげるために、「杉田梅を守り育てる会」の主幹を務め、自身でも梅の木の保全や植樹を行っている。著書に『梅暦、梅料理』(文化出版局)、『宿福の梅ばなし』(草思社)、『百年の梅仕事』(筑摩書房)。

梅おばあちゃんの贈りもの

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2023.08.20(日)
文=高橋敬恵子
撮影=森泉匡、川上輝明、榎本麻美