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体が心地よく動くことに意識を向ける

――その体験があってのゆるトレ漫画の発信なんですね。

いしかわ そうです。それまで「スクワット15回を3セット」とダイエット本などに書かれていたらその通りにやって、でも結果に結びつかないと「きれいになれないならやっても意味ないじゃん」と思い詰めていました。それが、「体が気持ちいいと感じるなら、10回でもいいからやってみよう」「ぽかぽかと体が温まるから続けてみよう」、逆に「これ以上やるとしんどくなるからやめよう」とか、自分の体が心地よく動くことに意識を変えていったんです。

――大きな変化ですね。現在、漫画を発信する時にも、そういうことを意識しているんですか?

いしかわ そうですね。発信する時には自分で効果を実感したものしか描かないようにしています。

 普段からどういう風に筋肉が動くかをよく観察していて、リハビリテーションの本などから、体を動かせない人がどんな訓練をしているかなどの勉強をしているんです。それに、仲の良い理学療法士の方に相談して、「リハビリとかトレーニングの指導をする時はこういう動きを取り入れているよ」とアドバイスをもらったりしています。

 でも、教えてもらうトレーニング法の中には、実際にやってみると難しいものや、コツが分かりづらい動作もあるので、そういうのは人に伝えにくいな、と。体が変わった実感のある方法を、「これめっちゃよかったよ」と友達にシェアするような気持ちで描くようにしています。

インタビュー【後篇】に続く

いしかわひろこ

1986年大阪生まれ。愛知県名古屋市在住で、夫と小学生の息子と3人暮らし。京都造形芸術大学(現・京都芸術大学)卒業。SNSで「運動は大きらいだけど健康になりたい人」に向けた超ゆるエクササイズ漫画を投稿する。著書に『筋肉ゼロでもできるズボラゆるトレ』(KADOKAWA)、『オトナのがんばらない健康生活』(秋田書店)。

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2023.07.31(月)
文=ゆきどっぐ