“甘くない”クレープもまた大人だけのお楽しみ
メニューの中には、トリュフやキャビアを使ったスペシャルなクレープも! 「Caviar(キャビア・サワークリーム・半熟たまご)」は、クレープ生地にクレーム・エペス(乳酸発酵させたクリーム)を塗り、スライスした半熟のゆで卵とキャビアを巻いたお食事系クレープ。ゲランド産海塩がほどよい塩気と旨みを添えています。
その味わいは高級感にあふれ、まるでフレンチレストランで供されるアペリティフのようで、これはもう、おいしくないわけがない! ハードリカーともよく合います。
「やるからには何か突き抜けたメニューがほしいと、ラインナップに加えられたのがトリュフとキャビアを使ったクレープです。トリュフを使ったデザートはフレンチレストランでよく提供されるひと品。今ではレストラン以外でも至るところでトリュフがスイーツに使われていますが、パーラがオープンした2014年頃には珍しく、新鮮なものでした。キャビアのクレープは、王道の味を組み合わせたレストラン発想の贅沢なクレープとなっています」と、林さん。
小さなお店に隠された楽しいメッセージも
店名の「PARLA(パーラ)」とは、スウェーデン語で「真珠」の意味だそう。ウムラウト(発音区別符号)がかわいらしく、貝に包まれた真珠のイメージがていねいにひとつひとつ包むクレープとリンクし、「パーラー」とも音の響きが似ていることから名づけられたといいます。
そして、お店のファサードに書かれた「INSTINCT>RAISON(本能>理性)」の文字に込められているのは、「理性ではなく、本能でおいしいものを食べてほしい」との思い。ロゴとして描かれた天秤が表す意味も同じです。「健康のためにおいしくないけれど食べるのではなく、本当においしいものを食べてもらいたいと考えました。でも、それで終わるのではなくて……」と、言葉を止めた林さんの視線はお店の側壁に。
そこに書かれていたのは、「Eat Sweets, & Work Harder!(甘いものを食べて、もっと働け!)」との言葉。おいしいものを食べたら、ちゃんと消費しないとね! と、いうわけです。ウィットに富んだ力強いメッセージに、思わずクスリ。お腹も心も満たされて、「さあ、がんばろう」と、お腹の底からエネルギーが湧いてくるようです。
PARLA(パーラ)
所在地 東京都渋谷区神宮前2-10-1
電話番号 050-5892-7169
営業時間 12:00~20:00(17:30~18:30頃、仕込み作業につき休み)
定休日 無休
https://par.la/gaien.html
Instagram @parla.crepe
※東急プラザ銀座1階、東京駅構内にも支店あり。
2023.05.27(土)
文=瀬戸理恵子
撮影=釜谷洋史