![新作も楽しみ。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/d/c/1280wm/img_dc00f55367bf1135def599eeb24bd23884388.jpg)
緑まぶしい初夏を迎え、冷たいかき氷がますますおいしくなる季節! かき氷の人気は年々高まるばかりで、数多くの専門店が誕生し、進化を遂げています。そのなかでも注目を集めているのが、2023年4月1日、オクシブと呼ばれる渋谷区神山町に誕生した、「茶房 オクノシブヤ」です。その道27年の和菓子職人が手掛ける絶品かき氷に、ワクワクとときめきが止まらなくなること間違いなしです。
和菓子職人であり、かき氷のスペシャリスト
![「一杯点て抹茶」。温かいお茶付き 1,100円。写真のトッピングは、粒餡(+200円)。2杯目以降は小さいサイズの「おかわり氷」を注文でき、こちらは770円。お茶は玄米茶、ほうじ茶、和紅茶、お抹茶から選択可能。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/5/2/1280wm/img_5270c8a7da7a1e5c64a6e9fe5eac29a195840.jpg)
代々木公園駅から渋谷駅へ向かって10分ほど歩くと、左手にこじんまりとした緑のひさしのお店が見えてきます。それが「茶房オクノシブヤ」。店主を務めるのは、断崖絶壁のようなかき氷で知られる都内の和菓子店で腕を振るってきた、和菓子職人でもあり、かき氷のスペシャリストでもある江良保正さんです。
![](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/9/b/1280wm/img_9b53b4b5073b0df6db29e9bbd6a87b3f131144.jpg)
「あれ? この場所はもしかして」と思われた方は、かき氷通。そう、ここは、オーストラリアでの出店のため閉店した、大人気のかき氷店「セバスチャン」があった場所。店主だった川俣宏さんと親交があったことから、江良さんがその店舗の跡を引き継いで、新たなお店を開くこととなったのです。
![店主の江良保正さん。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/8/8/1280wm/img_88807c6de395cff1a3a473ee35d7f66076359.jpg)
定番が2つ、限定メニューが約9種類そろうかき氷(いずれもドリンク付き)のなかでも、まず味わいたいのは、「一杯点て抹茶」。注文を受けてから茶筅で抹茶を立ててシロップと合わせ、ふわふわに削られた氷にたっぷりかけて提供される、贅沢なひと品です。
![一杯ずつ抹茶碗と茶筅を使って点て、シロップと合わせる。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/8/2/1280wm/img_8273b4a25dfc3c5481803f7002fa69fc57775.jpg)
「抹茶のシロップは、作り置きすると色も風味も損なわれてしまうので、立てたての抹茶を使うのが一番。手間はかかりますが、一杯ずつ立てています」と、江良さん。使用している抹茶は、京都・宇治の「山政小山園」のもの。上質さはもちろんのこと、濃く出した時に苦みが強く出ないものを選び、甘みを抑えて、抹茶の旨味や香りが堪能できるかき氷に。口に入れると氷がすっと溶け、奥深い味わいと清々しさがいっぱいに広がります。
優しい甘みの和三盆練乳には白餡を合わせて
![「和三盆練乳」温かいお茶つき 1,100円、おかわり氷は770円。写真のトッピングは、白餡(+200円)。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/c/9/1280wm/img_c90c7b749ea3592042d8f4ad6620393e95580.jpg)
もうひとつの定番は、牛乳に和三盆と数種類の砂糖を合わせて煮詰めた、自家製の練乳をたっぷりかけた「和三盆練乳」です。軽やかな口溶けの氷とおだやかなミルクの風味、和三盆のコクが混じり合い、シンプルながらも奥行きのある味わい。上品で優しい余韻に包まれます。
![削りながらまんべんなくシロップをかけ、食べるときには全体に味が行き渡る。氷は、透明度が高くて雑味のない純氷を使用。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/c/8/1280wm/img_c8bb09834cb3bd1b004a9cc65ae4e371142218.jpg)
また、これら2種の定番かき氷には、お好みでトッピングを追加することが可能。和三盆ミルク、こし餡、粒餡、白餡、生クリーム餡、季節の果物が用意されています。粒餡は北海道産の「豊祝」という、大粒で皮が薄くて香り高い高級小豆を使用し、粒を美しく残しつつやわらかく、ふっくらと。白餡は、北海道産の手亡豆(白いんげん豆の一種)を使い、きめ細やかでとろりとした、風味豊かな餡に。和菓子職人の経験と技が光ります。
2023.05.16(火)
文=瀬戸理恵子
撮影=佐藤亘