この記事の連載

 現在放送中のNHK大河ドラマ「どうする家康」の舞台、徳川家康公生誕の地である愛知県岡崎市。

 そんな岡崎市で、「城以外にも実はいろいろあるんです……」と訴えかける魅惑の体験型ツアー「まちとくらしを感じる岡崎ステイ」が実施されると聞いて参加してきました。前篇の和蝋燭に続き、後篇では家康が愛した八丁味噌の秘密に迫ります。

【前篇】城と家康公だけじゃない! 岡崎で灯りを灯す父娘の蝋燭物語。大河の舞台、岡崎ってどんな街? を読む


まさかの光景に絶句!

 岡崎が誇る「八丁味噌」をご存じだろうか? 

 食べたことはないけれど、名前だけは知っているという方も多いだろう。関東で育った私も、なじみの味はさっぱりした信州味噌である。大人になって八丁味噌のどっしり濃厚な味と出会い、日本の味噌の奥深さに驚いたのを覚えている。

 今回の旅では、創業延元2年(1337年)という「まるや八丁味噌(以下、まるや)」さんの味噌蔵を見学させていただいた。

 岡崎市街の中心から東海道を下っていくと、まるで映画村にでも迷い込んだかのような古い蔵が並ぶ一角が現れた。観光地でもあるのか、広い駐車場に観光バスもバンバン停まっている。

 レトロな外観とは裏腹に、きっと中には巨大タンクが並び、最新の大型の機械が唸りをあげて高速で大量の味噌を生産しているに違いない。そう思って、味噌蔵に足を踏み入れた私は、そこで見たまさかの光景に絶句した。

 何しろ、巨大桶の上に、天井に届くほどでかい石のピラミッドが並んでいたのだ。

 なんだ、これは。何かのまじないなのか? 

 いやいや、冷静になると疑問が次々と湧いてくる。地震がきたらどうするのか? 味噌を取り出す時、どうするのか? 

 2023年のNHKの大河ドラマ「どうする家康」並みに「どうする」連発である。

2023.03.26(日)
文・撮影=白石あづさ