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 今年のNHK大河ドラマ「どうする家康」の舞台、徳川家康公生誕の地であり、東海オンエアというユーチューバーの聖地として知られる愛知県岡崎市。

 そんな岡崎市で、もっと深い岡崎を知ってほしいと企画された体験型ツアー「まちとくらしを感じる岡崎ステイ」が実施されると聞いて参加してきました。第一回目は、この地に伝わる和ろうそくの魅力に迫ります。


いったい岡崎に何があるというの?

 家康公に岡崎城。今年、各地の家康ゆかりの地が盛り上がっているけれど、岡崎については、それくらいしか知らない。実際、岡崎にいったい何があるというのか?

 名古屋から特急で約30分、名鉄東岡崎駅に着くと、駅前に凛々しい家康公の像が。でかっ! さすが家康公のふるさと! 台座を含めて高さ9.5メートル、三階建ての家ほどある巨大な騎馬像だ。

 と、そこへ今日のツアーのガイドを務めてくださる「岡崎歴史かたり人」の近藤浩二さんが、「実はこの像、3年前にできたばかりなんです。やっぱり生誕の地に何もないのもねえ……と。松平から徳川に改姓した25歳の頃の家康公なんですけど、大河の主役の松本潤一さんのお顔にちょっと似てませんか?」とイケメンな像を見上げた。

 そう言われると、家康公の顔がだんだん松潤さんに見えてくるから不思議だ。像の台座には、家康公の旗印である「厭離穢土 欣求浄土」が彫られている。「この穢れた国土を厭い離れる。阿弥陀如来の極楽浄土への往生を欣求(切望)する」という意味の仏教の言葉で、「平和な世になるよう」という家康公の希望がこめられているのだそうだ。

 ぽつぽつと10人ほどが集まると、ツアー一行は市内を流れる乙川に向かって歩き始めた。

 乙川にかかる明代橋、通称・大名橋を渡ると、古い家が増え、かつての城下町の雰囲気を伝えている。ふと、太った野良ネコがこちらを見ているのに気が付くと、近藤さんは、また意外なことを口にした。「岡崎は、化け猫伝説がたくさんあるんですよ。城と猫は親和性があるんです」と。最近、化け猫の像も作られ、こちらも話題のスポットなのだそうだ。

2023.02.20(月)
文・撮影=白石あづさ