この記事の連載
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飛び龍が舞う満性寺へ
駅から歩いて10分ほど、川沿いの満性寺というお寺に到着した。ここは親鸞の孫弟子が700年前に創建した由緒あるお寺で、本堂は330年前、太子堂は370年前に建てられたという。
鐘楼と門がセットになっている鐘楼門をくぐり、境内の大きなモミの木を眺めながら、本堂に上がらせていただくと、阿弥陀如来さまが鎮座する絢爛豪華な仏壇にびっくり。欄間ひとつひとつに飛び龍などの絵が描かれている。
ご住職が、「大事な儀式などの時には、この近くで作られている和ろうそくを灯します。こちらは50匁(もんめ)の和ろうそくなんですよ。さっそく点火してみましょう」と、高さ23センチほどの大きな赤い和ろうそくに炎を灯してくれた。
驚いたことに、1分、2分、と時間が経つにつれて、小さかった炎がスーッと伸びていく。まるで生き物のように太くなったり細くなったり、きらめきながら揺れて見飽きない。普段、なじみのある洋ろうそくとは全く違う炎である。
ちなみに匁(もんめ)とは重さの単位で、昔の一文銭と同じ重さ(3.75グラム)だそう。計算すると、約190グラムほどの重さのろうそくで、これで5、6時間、灯りが続くのだそうだ。
2023.02.20(月)
文・撮影=白石あづさ