この記事の連載
- 大河の舞台・岡崎トリップ 前篇
- 大河の舞台・岡崎トリップ 後篇
お代官気分で街をぶらぶら
昔からこれだけの手間暇かけて作られる和ろうそくは、江戸時代、とても高価なものだった。きっと、岡崎の裕福な商人やお代官たちは、どこかでの料亭で宴会をして提灯の灯りを手に歩いていたのかもしれない。
そこでお代官気分で、和ろうそくを灯した提灯を手に灯りの少ないお城の周りをぶらぶらと散歩してみることになった。明るい電灯の光に慣れた私には暗くて足元が見えづらい。しばらくすると目が慣れてきて、灯りに照らされた木々が幻想的に浮かび上がる。
ふと、朝、ガイドの近藤浩二さんが語っていた「岡崎城には化け猫伝説があるんです」という言葉を思い出した。当時の人たちも、そんな噂話で盛り上がりながら、家路についたのだろうか。
知れば知るほど、人に出会えば出会うほど、もっと知りたくなる岡崎。今朝、「岡崎、城以外に何かあるの?」とか心のなかでつぶやいていた私は、穴があったら入りたい気分です。
後編につづく。
2023.02.20(月)
文・撮影=白石あづさ