俳優の神木隆之介さんが高知県をめぐり、土地にまつわる様々な人と対談した神木さん流ガイドブック『かみきこうち』が発売中。
高知県と言えば、神木さんが主演した2012年のヒット作『桐島、部活やめるってよ』のロケ地でもあり、さらに神木さんが植物博士・牧野富太郎をモデルにした主人公、槙野万太郎(まきのまんたろう)役を務める来春からスタートの連続テレビ小説「らんまん」の舞台でもある。非常に縁深い場所となった高知県が、神木さんの視点から紹介される貴重な1冊となった。
自身のYouTubeチャンネル「リュウチューブ」では屈託のないトークを披露し、いくつになっても飾らずエイジレスな雰囲気をまとう神木さん。本書では、その健やかな人間性ばかりでなく、スッと対象者と打ち解けるコミュニケーション能力の高さから人たらしなところまで“対談”という形によりグッと抽出され、高知県を知ると同時に神木さんというひとりの人間の新たな一面も垣間見える印象だ。
本インタビューでは、『かみきこうち』に込めた思いや高知という土地&住まう人について、また5月19日で30歳を迎える神木さんの30代突入への率直な気持ちまで、盛りだくさんで語っていただいた。
「連続ドラマをきっかけに高知がもっと知りたくなった」
――『かみきこうち』の発売おめでとうございます。企画のスタートは何がきっかけでしたか?
4月から放送が始まるドラマ「らんまん」で、僕が演じる植物博士・牧野富太郎をモデルにした主人公、槙野万太郎が高知県佐川町出身だったことが大きなきっかけでした。高知県はこれまで『桐島、部活やめるってよ』の撮影でもお世話になったんですが、当時は(撮影場所の)学校とホテルの行き来だけだったんです。どういう雰囲気の地域なのかもわからず、地元の方々に接する機会もなくて。
せっかくなので今回「高知県という場所のことをもっと知ってみたい!」と思いましたし、さらには僕とともに読者の皆さんにも知っていただけて、旅行に行ったときにもより楽しんでもらえる本になればと思い、製作に至りました。
――『桐島~』のときはあまり高知県にいる実感がなかったから、逆に言えば、今回ストレートに高知県について知れた、楽しめた感覚だったんでしょうか?
そうなんですよね。10年前は本当に地元の方と一切お会いする機会がなく撮影が進んでいったので、知らな過ぎて、高知県へのイメージがまったくなかったというか想像できなかったんです。今回あらためて前の印象も気にせず、新しい気持ちで高知県というところや高知の人に触れることができたと思っています。
――主に対談で構成されていますが、写真の点数が多かったり、お土産候補として眺められるコーナーもあったりと、ガイド本としても十分楽しめる1冊ですよね。
僕、実は活字が苦手なほうで(笑)。字だけの情報だとイマイチ頭に入ってこなかったりするのかもという思いもあったので、対談の間にいろいろな写真や、“こんなご当地ものがありますよ”という遊び心みたいなものを挟みました。対談のほかにも高知県の全体的なことも知っていただいて、旅行本としても見られるように工夫したいな、と思ってご提案させていただきました。
2023.03.24(金)
取材・文=赤山恭子