「学生時代のノリは、ずっと心のどこかに置いておきたい」
――剣心と互角に渡り合う、俊敏な瀬田宗次郎役でしたしね。気持ちの面でも手放したくない思いはありますか?
今後、一生かけて手放したくないと思うのは学生のときの勢い、ノリです。あの頃は自分が無敵だから何でもできると思って、いろいろふざけたことやっていました。けど、大人になってそのノリが消えていくことによって、何かに挑戦することを怖がってしまうんじゃないか、と思ってきたんです。
学生のときだったら、「え、ワンチャンやってみる?」、「やんなきゃわかんないっしょ、どうなってもいいからとりあえずやろうぜ!」でできたことがあったはずで。恐怖心がないことは、すごく大事になってくるんだろうなと思いました。
だから、僕は30代になっても今後未来永劫、高校生のときに持っていたノリは心のどこかには置いておきたいな、と思っています。
――挑戦心を忘れない30代の神木さんも楽しみにしております。そして、「らんまん」で神木さんが演じるモデルの牧野氏は研究に人生をかけて、それがご自身の幸せにつながっていった方ですが、神木さんが今感じている幸せ、ちょっとしたことでも教えていただきたいです。
僕は自分の周りにいる大事な人が、自分を理由に笑ってくれたりしたときがとにかく幸せです。意外と…自分を笑顔にさせる方法って、あまりよくわかっていないんですよね(苦笑)。例えば、おいしい食事を食べることが好きと言っても、別にひとりだったら何でもいいというか。この間なんて、牛丼チェーン店で3日間連チャン食べましたし。おいしいですしね!例えば、服がほしくなったときにお目当てのものを買うのもめちゃめちゃうれしいけど。でも、そこまで自分に対して尽くせないんです。
だから、人が笑ってくれたほうが、楽しそうにしてくれたほうがめちゃくちゃ幸せを感じる人間なんだと思います。今後もできるだけ、まずは自分の周りの人たちを笑顔にさせることができたらいいなと思いながら過ごしていきたいですね。
かみきこうち
定価 2,090円(税込)
NHK出版
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2023.03.24(金)
取材・文=赤山恭子