「周りの人が笑ってくれるのが一番の幸せ」

――「らんまん」放送時には、神木さんもとうとう30歳に。やや早いですが、おめでとうございます。

 ありがとうございます! とうとうですよ……30。

――30代のご自身に向けての期待などは、何かありますか?

 まさか自分が30代になるとは思っていなかったというか、まったく想像をしていなかったので、ちょっと今びびっているところではあるんですけれど(笑)。そうですね……30……余裕のある雰囲気、かもしだしたいですよね。

 余裕がなくても余裕があるような、大人な感じをかもしだしていける30代になれたらいいな、とは思っています。年上の先輩方を見ていると、やっぱりすごく余裕があるんですよ。「何があっても動じなさそうだな、この人たち」と思うというか。いろいろと経験してきたような雰囲気をかもしだしていらして。そんな雰囲気がかっこいいと思いますし、自分もそういった雰囲気を出せたらという目標はあったので、そうなりたいです。30代だから、もっと大人にならなきゃとも思います。

――十分大人で神木さんも憧れられる側だとお見受けしますが、ご自身ではそう感じていらっしゃらない?

 えへへ。とんでもないです。まったく思ってないです。高校から変わっていないというか……。でも、例えば誰かの人生を背負うとかの一大決心をする、背負う覚悟ができていなきゃいけない年頃なのかなと思うんです。

 そのぐらい大人にならなきゃだめという歳なのかなと思うので、そこはしっかりしていけたらなとは思っています。

――プライベートでも仕事でもライフステージが変わることは、チャレンジする幅が増えるということかもしれませんね。

 はい。それこそ「らんまん」もそうですね。お話をいただいたときには、長期ですごく大変だと噂ではかねがね聞いていましたし、大所帯のスタッフ・キャストの皆さんの真ん中に立てていなきゃいけないので、ひとつの大きな責任だとも思いました。

 自分としても「30歳になるし」というのがあって、いい経験でもあり、いい責任の感じ方なんじゃないかと思っています。「らんまん」もほかの作品もそうですけど、30に向かうまでいいお仕事ができているなと感じています。

――ちなみに、20代の出来事で、特にご自身的に手放したくないという経験や思いなどはありますか?

 それはもう、体力!! 20代前半と後半では身体を動かしてすぐ疲れるか・疲れないか、めちゃくちゃ差があったと思います。ぜんっぜん違いました! 20代前半のときは、無限に動けていたんですよ。特に映画『るろうに剣心 京都大火編』の撮影時は無限でした。25~26歳のときにもう1回やらせてもらったとき、殺陣の稽古がめちゃくちゃ疲れましたから……。今やったら吐くんじゃないかなと思ってます(笑)。

2023.03.24(金)
取材・文=赤山恭子