テレビ朝日在職中から、「もういっちょ」シリーズなどお笑いファンに刺さるコンテンツを数多く制作し、独立した現在も様々なメディアで番組作りに携わっている高橋雄作(TP)さん。金属バット、蛙亭、ランジャタイといった人気者たちにブレイク前から目をつけていた、信頼できる“お笑い変態”の高橋さんに2023年要注目の芸人さん&令和のお笑いシーンについて詳しく伺いました。
――本日は、今注目の“逸材”というべき芸人さんを教えていただけたらと思います。「売れている」「売れていない」といった社会的な評価や賞レースの順位とは関係ない、高橋さんの偏愛をお聞きしたいです!
10億円じゃないですか? まず大喜利が超面白い。大喜利が面白ければネタが強くなるっていうのはあるんですけど、一番この人達っていいなって思う理由は、センスがある感じなのに、しっかり「負け顔」が見せられるところ。
賞レースに出てスベって帰ってきても、「地上波だとスベっちゃうんです」って自分たちでネタにしている。ちょっとやんちゃなイメージがあって悪態もつくんだけど、超えちゃいけないラインはちゃんと知ってる、クレバーな感じがある。あんまり言うと営業妨害になっちゃうかもしれないけど……。
特に印象深かったのは、金属バットを紹介した動画。本来、憧れの先輩を紹介するって恥ずかしいじゃないですか。なのに、ファンの目線でニコニコウキウキしながら紹介していて。センスに可愛げがプラスされていて、なんかいいなって思いましたね。
あとは、神保町(よしもと漫才劇場所属の)芸人のゴシップとかちっちゃいニュースを毎月発表する「神保町よしもと楽屋ニュース」。「言うなよそんなこと」っていうことまで言ってるんですが、「10億円だからしょうがないか」って他の芸人から許される。人望がある二人なんです。
2023.02.10(金)
文=ライフスタイル出版部
撮影=平松市聖