いよいよ12月18日はM-1グランプリ決勝。M-1好きは予選が本格化する秋頃から、観覧に行ったりYouTube公式チャンネルの動画を見たりしてこの日に備えるという。ここ数年、“3回戦”を最も楽しみにし、今年は3回戦の約300組の動画を全組チェックしたという能町みね子さんに、決勝だけじゃないM-1の楽しみ方についてお話を聞きました。

12月初旬、ティータイムにインタビュー。

 M-1を語るのは危なっかしいな〜と思っちゃうんですよね。私は大相撲についてはいろいろ語ってますが、大相撲だとそんなことはないし、話題のサッカーもみんな気楽に語ってる感じですが、M-1だけは迂闊に語るとめちゃくちゃ叩かれる気がする(笑)。「なんでこんなのが決勝に行くんだ」とか「このネタのここがよくない」みたいなことを素人が言えば叩かれるのも当然かと思いますけど、そういうことですらなく、M-1の番組上のフォーマットとか予選の審査員の男女比について注文を付けた程度でも反発が強いです。もっと気楽に語っていいのに、って思う。なので、叩かれるつもりで、ド素人としてこわごわインタビューを受けることにしました。

――決勝戦の緊張感がすごいですよね。そんな中、能町さんはよく「予選で面白かった人たち」の話をしていて、楽しそうだなと。3回戦約300組、全部見ているんですね。

 全組見てるけど、全編見てるわけじゃないですよ。申し訳ないけど、途中から飛ばしちゃった人たちも中にはいます。でも、8割以上は最後まで見てるはず。個人的には、現場で見るには3回戦が一番面白いと思う。2回戦も見に行ったことがありますけど、さすがにクオリティ的にちょっと物足りなくて。でも、どれにしろもう観覧チケットがとにかく取れないです。「M-1サポーターズクラブ」というファンクラブに入っている友達ですら取れないほど激戦で。動画で見るしかない状況なので、意地になって全組見ましたよ。

 3回戦って関西と東京で7日間やるんですけど、チケット運や仕事の都合もあってさすがに1日しか行けないので、誰を見られるかは偶然でしかないんです。3回戦は、その時点では名前すら知らなかったのにめっちゃ面白くて会場全体が大ウケ、という人たちを「発見」できるので、それが楽しい。あまりにウケてるから「この人たち、決勝に行くんじゃない!?」と思うと、その年は行けなくて、1~2年後に行くってパターンが多い気がする。錦鯉は2018年の3回戦で初めて見て、強烈なインパクトがあって面白かったんですけど、その年は決勝に行かなかったんですよね。でも、その後2020年で決勝進出、去年(21年)優勝。2018年はたまたま錦鯉とすゑひろがりずを見れて、その2組がトップワンツーのウケだったと記憶してます。

能町みね子さん。

 昨年は有楽町の劇場で見て、THIS IS パンがめっちゃ面白くて印象に残ってますし、受からなかったけどバイオニというコンビが独特で好きでした。ヨネダ2000も昨年の3回戦の動画で知ってあまりに面白くてびっくりして、慌てて単独ライブの配信チケットを買って見ました。もうこれ決勝行けるんじゃない!?と思うほどウケてる人たちは、その年行けなくても翌年、翌々年に行くことが多くて、青田買いした気分になります(笑)。

 最近は動画が出てネタバレするというせいもあるのかもしれないけど、3 回戦と準々決勝と準決勝、全部ネタを替える人が多いですね。3 回戦のネタがものすごくウケてたのに、準々決勝はそのネタなんだ……ってことはけっこうあります。いやもちろん、そんなのは見てる側の勝手なんですけど。予選の審査方法は点数制らしいんですけど、詳細はわからないんですよね。見に行くとはじめに審査員が紹介されます。放送作家の方が多いですね。M-1は予選の審査にもっと女の人を入れてほしいと思っています。ゼロじゃないらしいですけど、圧倒的に少ない。こういうことを言うとすぐ「業界がそういう男女比だからしょうがないじゃん」と言われるんですが、政界や経済界と同じで、そう言ってるとずっと変わらないので、少しずつ変えていってほしいです。

2022.12.15(木)
文=ライフスタイル出版部
撮影=佐藤 亘