観光はお寺めぐりがポピュラー

 ところで奥浜名湖は、東海道の本道のほぼ真ん中、同時に日本列島のほぼ真ん中にあり、東西文化の交流する場として栄えました。

 そんな奥浜名湖には、国の重要文化財に登録された名刹が多く、そのうち五寺は“湖北五山”と呼ばれています。ここではお寺めぐりがポピュラーな観光のようです。

 湖北五山のうち、摩訶耶寺を訪ねてみました。

 奈良時代の726年に新達寺として開創された摩訶耶寺は、山門の構えも風格を感じます。と思ったら、野地城から移築されたもので、戦国時代に造られた貴重なものだとか。

 奥まったお堂に安置されている千手観音像も、それが国の重要文化財と知らなくても、時を吸い込んだような木の肌といい、なにかが違うと感じさせます。さらに源頼朝が肌身離さず持っていただろう念持仏の愛染明王も普通に見学できるとは。驚きです。

 帰りには浜名湖名産のうなぎもいただき、大満足の奥浜名湖。ユリカモメは来年も挑戦するとして、それが三度目の正直になるか、二度あることは三度あるになるのか……。どうなることやら。

取材協力

三ヶ日町観光協会 https://mikkabi-tourism.com/
JAみっかび https://mikkabi.ja-shizuoka.or.jp/

奥浜名湖

●アクセス 東名高速で東京から約3時間、三ケ日ICで下りて車で約5分。電車の場合、天浜線の掛川駅から1時間40分(または、新所原駅から30分)

古関千恵子 (こせき ちえこ)

リゾートやダイビング、エコなど海にまつわる出来事にフォーカスしたビーチライター。“仕事でビーチへ、締め切り明けもビーチへ”をループすること30年あまり。
●オフィシャルサイト https://www.chieko-koseki.com/

Column

古関千恵子の世界極楽ビーチ百景

一口でビーチと言っても、タイプはさまざま。この広い世界に同じ風景は一つとして存在しないし、何と言っても地球の7割は海。つまり、その数は無尽蔵ってこと? 今まで津々浦々の海岸を訪れてきたビーチライター・古関千恵子さんが、至福のビーチを厳選してご紹介します!

2023.01.28(土)
文・撮影=古関千恵子