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作品のファンの方々を裏切ることがないように

 3人が共演する舞台『刀剣乱舞』(略称・刀ステ)は、名だたる刀剣が戦士の姿となり、歴史を守るために、歴史改変を目論む者たちとの戦いに身を投じる、大ヒットPCブラウザ・スマホアプリゲーム『刀剣乱舞ONLINE』を原案にした作品。

 原案の世界観はそのままに、16年の初回公演から脚本・演出を手がける末満健一さんが紡ぎ出すのは、歴史を守るという使命を背負った刀剣男士たちの葛藤と、歴史という大きなうねりの中で翻弄される人間たちの深淵なドラマ。

 今回上演される新作『禺伝 矛盾源氏物語』は、元宝塚歌劇団の役者が刀剣男士を演じるという、これまでの刀ステとは違うアプローチで注目されている。

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七海 私は、2022年『綺伝 いくさ世の徒花』に細川ガラシャ役で出演させてもらっているんです。そのときは、刀ステで初めて女性キャストが出るということで、作品のファンの方からどう受け止められるかがすごくプレッシャーで。でも、始まってみたら周りの方々が助けてくださって、あったかい現場だった。

彩凪 私、カイさんの刀ステの舞台を拝見したんですが、すごく素敵でした。

七海 ありがとう~。ただ今回は、刀剣男士を演じさせていただくっていうことで、前回とはまた違う責任を感じて。ファンの皆さんがすごく愛を持っていらっしゃる作品なので、裏切ることがないようにしたいなと思って。

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彩凪 そうですよね。私も最初に今回のお話をいただいたときは「本当ですか?」って何度も聞き返しちゃいました。自分が踏み入れる領域ではないと思っていたんで。でも、在団中、和物に縁の深い雪組に在籍していたこともあって、もっと和の作品をやってみたいと思っていたので、すごく嬉しい機会をいただけたな。

 私は退団間もないときにお話をいただいたんです。最初は、できるのだろうかという不安が大きく、悩みました。宝塚で男役を演じていたときも生半可な気持ちではなかったし、この作品もあのときと同じように相当な覚悟がいるのでは、と。

 だからこそ、その想いが通じればきっと受け入れていただけるんじゃないか。そうすることで、刀剣乱舞と宝塚という世界が結びつき、ファンの皆様にとって新たな可能性を広げていただく機会になるのではないかという思いに至りました。そのためにしっかりと気持ちを引き締め直して、覚悟を決めてお願いしますっていうお話をさせていただきました。

七海 私自身、“刀剣乱舞”の世界観も舞台『刀剣乱舞』も愛しているんで、『禺伝 矛盾源氏物語』も観て良かったと思っていただきたくて……。ちゃんと刀剣男士を演じる責任の重さを理解しながら、役に取り組みたいと思っています。

彩凪 ビジュアル撮影をしたときに感じたんですけれど、スタッフの方々の原案のキャラクターのイメージに近づけようとする努力が素晴らしくて。

七海 そうなんだよね。これまでに刀ステで何作品もつくられているんだけれど、大事にしている核の部分っていうのがあるんだよね。刀剣男士たちは歴史を守るという大前提のもと活動するのだけれど、演じる俳優さんたちを見ていても、そこへの熱さというか、奮い立たせるような力をすごく感じたので、私たちもそこを大事にしなきゃいけないなと思う。

 ここまで積み上げられてきた舞台『刀剣乱舞』に挑むからには、失礼のないように頑張りたいです。

2023.01.22(日)
Text=Risa Mochizuki
Photographs=Satoru Tada
Styling=Syohei Fujinaga〈七海〉、Nami Takegami〈彩凪〉
Hair & Make-up=Kazuki Shiota〈七海〉,Asako Satori〈彩凪〉,Miyuki Okada〈綾〉

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※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。

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