日本でも海外でもスタンスは変わらない
――第1話を監督したマイケルとはオーディションでお会いして、その後もお話しましたか?
オーディションでお会いしてお話させていただいて、あとは現場にも遊びに行かせてもらいました。緊張しましたけど、すごくやさしくて物腰のやわらかい方でした。
監督は、役者それぞれに合うアプローチで役を理解させてくれたんです。僕に関しては、「何かスポーツやってた?」と聞かれて、「ちょっと野球をやってました」と答えたら、「じゃあ」と野球で例えてくれたりしました。その俳優によって何が一番わかりやすいのか、どうすれば伝えられるのかをすごく熟知している方で、自分の考えているイメージを届けることのプロだと感じました。
――本ドラマは日米合作で、撮影は日本でスタッフはハリウッド勢という形でした。山下さんにとっては海外の現場という感覚に近かったですか?
んー、難しいですね。海外作品の現場という雰囲気はありましたし、撮影の仕方は違ったりもしましたけど、いいもの・面白いものを作ろうという思いは万国共通だなと僕としては感じたんです。日本にいるときも、みんな同じ気持ちで作っていますし、違いはあるようで意外にないと感じます。
――自己主張をより強くしないといけない、という意識などはありますか?
自分に正直に、イエス/ノーをはっきり伝えることは必要だと思います。謙遜みたいなものは、もしかしたら必要ないのかなと。ただ素直に、今自分がどう思うかを伝えればいいし、見せていけばいいから、自分としては楽な部分もありました。
ただ、やっぱり基本は日本でも海外でも同じスタンスで使い分けることでもないと思います。僕は日本人だし日本で育ったので、その上で自分の間口を広げて、いろいろなカルチャーに対してのリスペクトを持ちながら、正直に意見交換をしていきたいです。言語の違いはあるけれど、気持ちの上でぶつかっていくこと、その根本は一緒ですよね。
2022.12.30(金)
文=赤山恭子
写真=佐藤 亘
スタイリスト=宇佐美陽平(BE NATURAL)
ヘアメイク=北一騎