俳優活動に留まらず、歌手として、ファッションアイコンとしても注目を集めている菅田将暉さん。そんな菅田さんのファッション遍歴などをまとめたスタイルブック『着服史』(ワニブックス)が発売された。

 本書では、2017年から2021年までの5年間にわたりスタッフが記録した膨大なスナップや、自宅に眠っていた私服を持ち出して自らコーディネートし撮り下ろした写真など計240以上のスタイルを紹介しているほか、菅田さんのスタイリストとヘアメイクが語る裏側や、デニムをカスタマイズする密着企画なども収載されている。

 インタビューでは、「菅田将暉はなぜ様々な洋服を身にまとうのか」という問いについて、役者論を交えて語っていただいたほか、活動の幅を広げてきた菅田さんが見つめる「これから」について、今の思いを聞かせてもらった。

その時のビジュアルが名刺代わりなんです

――『着服史』、拝読しました。何だか「私、こういう者です」といった、菅田将暉さんの名刺と履歴書を見せてもらったような印象を受けました。

 僕らみたいに名刺がない職業をやっていると、そのときのビジュアルが名刺代わりになることもあるので、そんな風に言ってもらえて嬉しいです。

――本書を作る発端はどんなことだったのですか?

 以前、雑誌「プラスアクト」のインタビューで「菅田将暉の『大ファッション図鑑』みたいな本をいつか作りたいよね」という話をしていて。そこから広がっていきました。

 今までたくさんの洋服を着てきましたが、私服よりも役者として衣装を着ている時間の方が圧倒的に長いんですよ。衣装を着ている時間だけ、僕は「菅田将暉」という名前で存在し、認知される。その背景にはスタイリストさんやヘアメイクさんのものすごい労力があるのに、僕の手柄みたいになっているのはちょっと違うなと思っていて。

 もちろん僕自身も洋服が好きだし、自己発信でやっている部分もたくさんあるんですけど、あくまでも「『菅田将暉』というチームで動いているんだよ」、「洋服を着ること以上にそういう人たちとの関わり方が楽しいんだよ」ということが、僕が一番みなさんに伝えたかったことなので、この本ではそこを見せたいという思いで作りました。

――「チームで動いている」ことを伝えたいと思うようになったのは、何かきっかけがあったのですか?

 ずっと思っていたことではあるのですが、ここ最近「菅田くんってオシャレだね」とか「あの洋服ってどこで買ったの? どこのブランド?」って聞かれることが多くて。だけど、あくまでも僕は演者であって、洋服を用意している人間ではないから、本当に洋服に興味があって知りたいのであれば、スタイリングをしてくださった人の言葉を載せたほうが、僕の服に興味を持ってくれた人のためになるな、と思ったんです。

2022.04.09(土)
文=根津香菜子
撮影=佐藤 亘
ヘアメイク=AZUMA(M-rep by MONDO-artist)
スタイリスト=猪塚慶太