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チョン・ヘインが三池監督にかけた“ある言葉”

 「コネクト」でヘインが演じるのは、臓器売買組織によって眼球を奪われてしまった青年ドンス。もう、これだけで恐い! しかし彼には体が千切られても、眼球がくり抜かれても、元通りになるという特殊能力があった。つまり不死身の男。それもトカゲの尻尾のように再生するのではなく、ミミズのような触手が出てきて元の位置に戻ろうとする。つまり再び接続=コネクトする、新人類だったのだ。

 しかしドンスと左目は無事に繋がったものの、右目はすでに奪われてしまい、見知らぬ男に移植されてしまう。その相手はソウルを震撼させる猟奇殺人鬼で、ドンスは奪われた眼球を通して男とコネクトしてしまう……というのが大まかなストーリー。

 映画祭では6話のうち3話が一挙上映された。結構グロくて、さすが三池監督、と言いたくなるような強烈なシーンも多いが、ストーリーや伏線がしっかりしていて、次が見たくてたまらなくなる。映画祭での公式上映やQ&Aも大いに沸いたが、さらに別途記者会見も行われた。こちらは韓国ディズニー主催のため事前にエントリーが必要で、マダムアヤコも韓国の友人のツテで潜入に成功。

 記者会見には、三池監督、ドンス役のチョン・ヘイン、「D.P.」でも共演していた殺人鬼役コ・ギョンピョ(「月水金火木土」)、新人類コネクトの秘密を知る作家役のキム・ヘジュン(「キングダム」)が登壇。

 三池監督は「ビザの関係で事前の打ち合わせはほとんど直接は出来ず、ロケハンも助監督にやってもらった。不安もあったんですけど、チョン・ヘインが『何があっても自分は監督の味方です。監督の好きにやってください』と言ってくれました。だから何の問題もなかった。言葉は直接通じないけれど、やるべきことをどう解釈するか。その微妙な解釈の違いも映画の幅というものになっていくものなので、運命的な出会いで生まれた作品だと思っています」と語った。

2022.12.15(木)
文・撮影=石津文子