この記事の連載

 2023年の「G7サミット」の開催地に決まり、注目を集めている広島県。そこで今回は、広島の新たな名物になりそうなグルメや、まだまだ知らなかった歴史、絶景などをスポットごとに全6回に分けてご紹介します。

 第2回となる今回は、電動自転車に乗って、地元のガイドさんと広島の街に残る被ばく遺産や、平和への復興ストーリーを巡る「ピースツアー」をご紹介。貴重な被爆建物にも立ち寄り、改めて平和の大切さを感じてみたいと思います。

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 ツアーを主催するのは広島市を中心に「そこにしかない物語」を感じることができるようなスポットを自転車で巡る交流型のツアーを展開する「sokoiko!(ソコイコ)」。

 今回案内してくれるガイドの石飛さんたちと、平和記念公園で合流し、ピースツアーが始まります。

 平和記念公園があった場所は、元々約1300世帯が居住していた広島随一の繁華街だったそう。しかし、1945年8月6日の朝、原爆が投下され、一瞬で町は焼き尽くされ、灰となってしまいました。戦後、6年の歳月をかけて整備され1955年に平和を祈念する公園として再生しました。

 その事実を何となくは知っていたものの、実際にこの場所に立ち、ガイドさんからお話を聞くと、胸が締め付けられる思いです。

 原爆ドームは、核兵器の惨禍を伝える建築物として1996年12月に世界文化遺産に登録されました。むき出しの鉄骨、外壁が被ばく当時のまま残っていて、核兵器の脅威をまざまざと伝えています。

 さらに公園を奥に進むと、日本一の高さを誇ると言われている噴水があります。

 被ばくした人は、体中を火傷し、水を求めてさまよったと言われています。その人たちに水を届けてあげたいという思いを込めて、この高さにしたのだそうです。

 ガイドさんの説明を聞きながら平和記念公園の敷地内を進み、今回レンタルする電動自転車置き場まで歩いていきます。

 電動自転車に不慣れな私。こぎ始めにギュイーンとスピードが出るので最初は若干慌てますが、慣れてしまえば楽ちんです!

2022.11.29(火)
文=根津香菜子