名門ヒューストン・バレエ団で最高位プリンシパルとして活躍後、熊川哲也さん率いる「Kバレエカンパニー」へ移籍し、約15年ぶりに拠点を日本へ移した飯島望未さん。バレエダンサーとしての枠を飛び越え、ファッショニスタとしてもその名を馳せる話題の人物が今一番興味を持つ、「旅の愉しみ」について話を聞きました。


「旅先で変わった名前のスナックに行くのも大好きです(笑)」

――今一番興味をお持ちなのが旅行と伺いましたが……。

 はい。最近はまとまった休みが取れたら「さて、どこへ行こうか」と計画を立てます。リフレッシュしたいときに、自分の生活とはかけ離れた環境へ行きたくなるんです。

 リゾート地というよりは、“街”に興味があって。市場やその地域の美味しいもの、地元の人に愛されるお店など、その土地の風土を味わう旅がすごく楽しい。旅先で、変わった名前のスナックに行くのも大好きです(笑)。お酒はそんなに強くありませんが、飲みの場の雰囲気を楽しんでいます。

 海外生活が長かったこともあり、今は日本を知りたい気持ちが強く、日本の北から南までくまなく旅をしたいです。街の雰囲気を体感しつつ、工芸品や民芸品など各地の伝統的なもの作りにも挑戦してみたいです。

 近々、益子焼を体験しにいく計画を立てているのですが、すごく楽しみです。日本国内を旅する度に、文化やモノに対する日本人の思いって素敵だな、と感じます。

「旅先での縁を大切にしたい」

――旅からバレエへのインスピレーションを受けることはありますか?

 街の雰囲気や人々、文化、ファッションなどから刺激を受けることは多いです。あとは人との繋がりや出会いにも。

 飛行機の中でたまたま隣に座った外国の方とお話しをして、別れ際に「バレエを見にいきたいから」と仰ってくださり連絡先を交換したところ、本当にヒューストンまで来てくださいました。バレエに興味を持ってくださったこともすごく嬉しかったです。行く先々での地元の人々との触れ合いや、旅先での縁を大切にしたいと思っています。

――飯島さんの旅の相棒といえば?

 リモワのスーツケースはずっと愛用しています。あらゆる作りがシンプルに削ぎ落とされ、すごく洗練されていて。

 特に使用頻度が高く、10年近く愛用しているのが、アルミニウム製でマチが深めの「Original Trunk Plus」。ストイックな色でありつつ、角に丸みがある形がとてもかわいい。そして丈夫で軽いです。

 私物の「Original Trunk Plus」は、10年近く世界中を一緒に旅していたため、傷だらけになってしまっていたのですが、最近メンテナンスをお願いしたところ……キレイな姿で戻ってきて驚きました! 表面のクリーニングだけでなくネジの調整などもしてもらえるので、本当に“一生もの”として使えます。

 次に狙っているのが「Original Trunk Plus」のピンク。ポリカーボネート製のクリーミーな紫もかわいいです。私が使うとボロボロにしちゃうかな……とも一瞬考えましたが、メンテナンスもできるので安心して使いたいです(笑)。

――15歳でバレエ留学のために単身渡米されていますが、「これだけは一緒に持っていきたい」と思ったものはありますか?

 小学生時代、大きなコンクールの予選を通過した時に母が買ってくれたスティッチのぬいぐるみ。ずっと手元にあり、今でも抱いて寝ているお守りのような存在です。なかなかの年季入りで、他人様にはお見せできないほど……我が家の猫さえ寄り付きません(笑)。長期の旅行時にはこれがないと落ち着かないので持っていきます。

――お一人で海外生活を始めた頃のお気持ちは覚えていらっしゃいますか? 

 あまり覚えていませんが、とにかくがむしゃらでした。言語もよくわからない状態でしたが、その時は必死すぎて辛いと思ったことは一度もなかったです。

 年を経て言葉もわかるようになってから辛いと思うことも増えましたが、行った当時は辛さよりも踊りたい気持ちが強かったです。その時は、一年でプロ契約ができなければ日本に帰ってバレエをやめようと思っていたので、とにかくできるだけ早くプロになりたいという思いが強くありました。

2022.11.01(火)
文=天野真由美
写真=河野翔大
スタイリング=渡邊薫
ヘア&メイク=RYUJI