大旋風を巻き起こした『鎌倉殿の13人』では想像以上の反響が
――本年、中川さんは『鎌倉殿の13人』の畠山重忠役で一大旋風を巻き起こしました。放送時も終了後も、中川さんへの感謝の声がSNSのトレンドで上がっていましたよね。
大河ドラマは想像以上の反響をいただいて……。すごく嬉しいです。周りの人から声をかけていただくこともありました。視聴者の皆さんも作品を愛してくださって、細かいところまで見てくれているからこそ、感想もたくさん届いたので、すごく嬉しかったです。
僕としては、これからも変わらず、やったことのないことをやってみたいですし、お客さんには見たことのないことを見せたいと常に思っています。
――そういう意味では、『歌妖曲』はまさに“やったことのない”ジャンルですよね。2022年を締めくくる集大成にもなりそうですが、舞台が終わる年末には、新たな自分と出会えそうな予感はしますか?
間違いなくあると思います。ただ、それがどういう状態かは正直わからないんです。舞台というものに、演劇の魅力というものにとりつかれてしまっているかもしれないし、二度とやりたくないと思っているかもしれないし……。どういう境地に達しているかは想像もつかないですけど、それも含めて楽しみです。
やりきったときに自分の中で何が生まれるのか、何が残るんだろうな、とワクワクしています。最後には、いい意味でぼろぼろになれたらいいなと思っているんですよね。身も心も気持ちよく出しきれたら。それも含めて自分が今までに行き着いたことのないところまで行けたらいいな、と思っていますね。
なんか……本当に想像のつかないことって、ここ最近なかったんですよね。子供のときからこの仕事をやってきて「こういうふうになるんじゃないかな」とか「なったらいいな」とか「きっとこれはこうだろうな」とか、ちょっとは自分の中で想像できたり、予測しながらやってきたところがあったんです。今回に関しては、本当に真っ暗なんですよね。どうなるかわからないので、今すごくヒリヒリしています。
――中川さんの進化が非常に楽しみです。12月25日に大千秋楽を迎えられますが、26日からはオフですか?自分にあげたいご褒美など、何かありますか?
まだ、どうなるのかも想像がついていないので考えられないですけど、年末年始は休ませてほしいですね。
中川大志(なかがわ・たいし)
1998年6月14日生まれ。東京都出身。2009年俳優デビュー。2011年日本テレビ「家政婦のミタ」で長男役を演じ注目を集める。以後、NHK大河ドラマ「真田丸」、TBS「花のち晴れ〜花男Next Season〜」、NHK連続テレビ小説「なつぞら」等数多くの話題作に出演。2019年には「坂道のアポロン」、「覚悟はいいかそこの女子。」(主演)で第42回日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞。その後も映画「砕け散るところを見せてあげる」(W主演)や読売テレビ/日本テレビ「ボクの殺意が恋をした」(主演)、NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」等注目作への出演を続けている。
音楽劇『歌妖曲~中川大志之丞変化~(かようきょく なかがわたいしのじょうへんげ)』
作・演出:倉持 裕
出演:中川大志/松井玲奈 福本雄樹/浅利陽介 中村 中/山内圭哉/池田成志 ほか
東京:2022年11月6日(日)~11月30日(水) 明治座
福岡:2022年12月8日(木)~12月12日(月) キャナルシティ劇場
大阪:2022年12月17日(土)~12月25日(日) 新歌舞伎座
https://www.sanjushi2nd-2022.com/
2022.10.30(日)
文=赤山恭子
撮影=今井知佑
ヘアメイク=佐鳥麻子(Vitamins)
スタイリスト=高橋 毅