この記事の連載

◆『アフターアワーズ』西尾雄太

クラブのリアルな空気を描く

 マンガにクラブやDJが登場しても、その空気感を物語に落とし込むのは難しかった。このマンガのクラブからは音がちゃんと聴こえるし、深夜の混沌や明け方の切なさの表現も巧み。DJとして現場を肌で知る作者ならでは。

『アフターアワーズ』西尾雄太

小学館 693〜825円 全3巻

◆『ネムルバカ』石黒正数

ゆるふわ音楽マンガと見せかけて

 多作かつコメディからSFまでバラエティ溢れる作風で知られる作者が00年代後半に描いていた知られざる音楽マンガ。ゆるふわ系とも思えるストーリーと見せて、しっかり毒気や主張があるし、ラストには胸がスッとする。

『ネムルバカ』石黒正数

徳間書店 607円 全1巻

松永良平(まつなが・りょうへい)
音楽ライター

インディーズバンドから海外アーティストまで取材する。主な著書に『ぼくの平成パンツ・ソックス・シューズ・ソングブック』(晶文社)がある。

◆『BLUE GIANT』石塚真一

 ジャズに魅せられた主人公・宮本大が理想を追い求め情熱のまま進んでいく。

『BLUE GIANT』石塚真一

小学館 607〜660円 全10巻

実松由夏(さねまつ・ゆか)
SHIBUYA TSUTAYAコミック担当

名探偵コナン好きで、1999年よりSHIBUYA TSUTAYAにてコミックを担当。繊細で美しい! と思う作品は『乙嫁語り』(森薫/KADOKAWA)。

菅原明子(すがわら・あきこ)
編集者

文藝春秋編集者。元「月刊エレガンスイブ」編集長。主な担当作に『ちひろさん』『凪のお暇』『酔うと化け物になる父がつらい』(すべて秋田書店)など。

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CREA夜ふかしマンガ大賞
10位~1位までを発表!

2022.10.21(金)
Text=Ryohei Matsunaga

CREA 2022年秋号
※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。

この記事の掲載号

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「CREA」2022年秋号は「夜ふかしマンガ」特集です。慌ただしい日々を過ごしていると、眠りにつく前のひと時くらい、すべてを忘れてマンガの世界に没頭したくなりますよね。そこで、時代をあぶりだす社会派から、大人の胸キュン、話題の新人作品まで、ぜひ読んで欲しい名作を集めた「夜ふかしマンガ大賞」をお届けします! 今年最注目の第一位は――!?