ランドセルは日本のバウハウス!?
「よけいな装飾のない、機能を追求した合理的なデザインを、『ドイツのバウハウスに通じる』と表現した現地の方がいて、なるほどと思いました。日本人からはなかなかそういう見方は出てこないですよね。
また、興味深かったのがポートランド在住のピアニスト、トーマス・ローダーデール氏が17年も前から赤いランドセルの愛用者だったこと。
「彼はツアーにもバケーションにも、どこに行くにもそのランドセルを持って行くそう。『とても実用的で、とても丈夫。しかもファッショナブル』と絶賛していて、かけがえのないパートナーのような存在になっているんですね」
17年間使っているだけあって端の部分がすり切れていたりストラップを付け替えていたり、相当年季が入っているけれど、トーマスさんのランドセルはもう、体の一部のように彼自身になじんでいる。
そんな愛着のあるランドセルに加え、最近は土屋鞄の新しいランドセルも新しい相棒に。
ビジネスバッグとして「大人ランドセル」も
「でもやっぱり、小学校の頃のランドセルを持つのはちょっと……」という人には、土屋鞄が提案する「大人ランドセル」はどうだろう。
A4サイズと13インチのノートPCが縦にすっきり収まるサイズ。ランドセルの佇まいを残しながら、硬派な大人のビジネスバッグの雰囲気だ。
これから手に入れるなら、選びたいのは一生モノ。トーマスさんのランドセルのように、一緒に成長していけるパートナーとして、ランドセルはきっと長い時間、さまざまな場面で寄り添ってくれる。
2022.10.18(火)
文=前中葉子(BEAM)
写真=嶋崎征弘、橋本篤