海外旅行のムードが高まりつつあるなか「次の旅先は、また台湾に行きたい!」と思っている人は多いのではないでしょうか。

 2020年2月。コロナウィルスが世界を脅かし始めたころ、CREA編集部は台湾特集制作のため台北を訪れていました。レストランに入る際の検温、消毒の対応がすでに行われており、そのスピード感には驚かさるばかり。そんな台湾の人たちの行動力や温かな人間味が、台湾在住の青木由香さんの最新著書「暮らしの図鑑 台湾の日々」にも記されています。

1回目「台湾の小菜、粉もの、フルーツ」を見る
2回目「台湾アウトドアライフ」を見る
3回目「台湾レトロスイーツと台湾茶」を見る
4回目「台湾女性のライフスタイル」を見る


エコも身近に感じると即行動! マイ容器、マイ箸を持ち歩く

 自炊率の低い台湾は、毎日大量の使い捨て食器を使う。ダメじゃないかと言いたくなるが、マイ箸を持ち歩く人は多い。台湾の使い捨て箸は竹製で、それに使われる漂白剤や防腐剤を気にして、マイ箸文化は10年を超える。これに続きテイクアウトにマイ容器を使う人も増えてきた。

 それでは、バイクの排気ガスはどうなんだ? これも、景色のいいサイクリングロードが川沿いにできてから自転車ブームが起こり、都市部にはシェアサイクルが密に設置され、自転車人口が急増した。電動バイクも猛烈に推進中だ。

 「みんなの地球、大丈夫?」より「あなたの体、大丈夫?」となれば、この人たちの動きは途端に早い。さらに政府の動きも加速中。ここから台湾のエコは、世界を追い抜きます。

 川沿いのサイクリングロード。シェアサイクル「ユーバイク」に乗る人も。町なかの主要道路には自転車用のレーンもある。

健康、恋愛から経営まで。占いの種類が圧倒的に多い

 占いの当たる当たらないは、日本と一緒。異なる点は、占いの種類と量と、それに頼る人の数。そして何よりその信じ方が違う。

 社員の雇用を占いで決める経営者。占いで決めた運勢のいい誕生日に、医者に賄賂を渡して帝王切開する妊婦。高額の株を占いで売買とか、夜市で面相を見せ、外で夜で公開の場だけど、悪いホクロを取るとか。

 生年月日で占う紫微斗數や八字(四柱推命)が人気だが、おじいちゃん占い師の手描きのシュールな絵札を文鳥が引く鳥占い、掴んだ米粒の数で占う米占いといろいろあり、どれも中国の長い歴史から生まれた教訓めいた成語を混ぜて話してくれる。愛だの恋だの以外に、一国の主あるじみたいな人が頼るのも納得できるが、稀にピンピンしてる人に平気で突然余命宣告とかもするので怖い。

2022.10.05(水)
文・撮影=青木由香