旅行ムードが高まるなか「次の旅先は、やっぱり台湾に行きたい!」と思っている人は多いのではないでしょうか。
そこで、台北に20年近く住む青木由香さんの最新著書『暮らしの図鑑 台湾の日々』から、ローカル視点での台湾の豊かさを紹介。読んでいるだけで、暮らすような台湾旅がバーチャル体験できます。
料理が出てくるまで空かした腹を放っておかない。手頃で美味しい小菜
麺屋でもレストランでも、よくレジ脇に小皿に盛り付けたおかずが並んでいる。これは“小菜”というお通しみたいなもので、台湾人なら料理を注文した後、間違いなく小菜に吸い寄せられる。料理をしっかり注文してから「小菜いかがですか」と言われても、日本人なら「いや、もう頼んだし」となるが、台湾人は、料理が出てくるまで空かした腹を放っておきやしない。
小菜は、種類も豊富で一皿幾らと気軽に手が出る値段設定。店によっては客が勝手に取り、会計時に皿の数を数えるので回転寿司の始祖かもしれない。野菜系が多く、外食文化の台湾では有り難いし、食いしん坊の台湾人の弱みをついて、店も儲かる。小さくても、存在感の大きい一皿だ。
2022.09.22(木)
文・撮影=青木由香