焚き火を締めくくる幸せなコーヒータイム

 ホットドッグサンドとピザを食べ終わったタイミングで、ヤカンの蓋を開けて煮出しコーヒーの様子をチェックします。

 まだヤカンの上部でコーヒー豆が膨らんでいる段階で、お湯を吸い切るまでにはもうひと息。豆が下に落ちるまで放置します。

 豆を早く沈めたい時は、直火にかけるとお湯が対流して、豆の沈下を促します。

 もし炭が崩れやすい状態の時は、長さが同じくらいの薪を2本並行に置き、その上にヤカンをのせると安定します。火力が足りない時は、火吹き棒を使って火を復活させましょう。

 コーヒーを煮出す間に、スモアを作り始めます。マシュマロを刺すものは、とがった棒や枝でOK。焚き火台に立てかけられるぐらいの長さがあると便利です。

 焚き火用のマシュマロは小さいと溶けてしまうので、大きくて皮が厚い「ロッキーマウンテン」がおすすめ。直火に当てるとすぐ焦げてしまうので、熾火でじっくり中まで焼きます。

 煮出しコーヒーは、寒川さんが「おいしいバブル」と呼ぶ、豆を含んでいない泡が表面に浮いていたら完成です!

 コーヒーが吹くほど煮詰めると、コーヒーが溶けてコーヒー汁になってしまうので注意。

 マシュマロは、串から落ちるぐらいになったら中が溶けている証拠。少し焦げ目が入るぐらいに仕上げると、皮もおいしく食べられます。

 スモアサンドと煮出しコーヒーで贅沢なおやつタイム。煮出しコーヒーはワイルドな作り方に反して、驚くほど繊細な味わいです。

 「煮出しコーヒーは、焚き火をおこしてから飲むまでにだいたい1時間ぐらいかかるんです。

 北欧の人たちは、“コーヒーにする”のがドリップで、“コーヒーになる”のが煮出しコーヒーと言って、待つことがすべてを調和させてくれると教えてくれました。

 日本人が忘れつつあるこの精神を、焚き火を通じて分かち合っていきたいです」(寒川さん)

 コーヒーの原点とも言える煮出しコーヒーは、焚き火のシーンにぴったり。焚き火グルメも、煙や焦げが最高のスパイスになって、どんな食材もごちそうに感じられるでしょう。

寒川 一(さんがわ・はじめ)

香川県出身。アウトドアライフアドバイザー、UPI OUTDOOR PRODUCTSのアドバイザー。三浦半島での「焚火カフェ」を15年以上続けている。アウトドアでのガイド・指導はもちろん、メーカーのアドバイザー活動や、テレビ・ラジオ・雑誌といったメディア出演など、幅広く活躍中。とくに北欧のアウトドアカルチャーに詳しい。

焚き火の作法


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