初の旗艦店を立川に選んだ理由とは
――アイテムが増えていくなかで、アウトドア誌だけでなく、ファッション誌やライフスタイル誌で特集を組まれるほどになり、今年2月には初となる旗艦店がオープン。なぜ立川に出店されたのでしょうか?
都心の商業施設などからもお声がけをいただきましたが、「GREEN SPRINGS」に決めさせていただきました。
1番の決め手としては、商業施設ながらもビオトープが広がり、店舗を出れば四季を感じられるロケーションであること。
ビルのなかで商品を手に取るより、少しでも外の天候や気温を肌で感じられることで、実際に使っているところをイメージしやすいのは、お客様にとっても道具を選ぶうえで大切なことだと思っています。
――内装デザインを建築家の谷尻誠氏に打診されたそうですね?
たまたま谷尻さんが弊社のテントを使ってくださっていて、そこからお付き合いをさせていただいています。そこで相談させていただき、この旗艦店では卸先とは違う、“ムラコの世界観”が伝わるよう「Factory×Gallery」をコンセプトに谷尻さん・吉田愛さんが率いる<SUPPOSE DESIGN OFFICE>にお願いしました。
実際にムラコ商品を愛用され、工場にまで足を運んでくれたからこそ、イメージが共有でき、素晴らしい設計になりました。
店内の什器は、工場で実際に使われている備品とムラコのプロダクトを組み合わせています。壁面の陳列棚はムラコのタープポールで作り、留め具など細かなところまでこだわっているので、商品はもちろん、工場っぽさと美術館のような空間を楽しんでほしいです。
2022.05.24(火)
文=猪野正哉
撮影=佐藤 亘