憧れて親に作ってもらったあのご飯

――「失恋めし」は原案がコミックエッセイですが、広瀬さんといえば漫画です。食事シーンが印象的だった漫画など、ありますか?

 私が好きな漫画は、基本戦ってるんですよね……(考え込む)。

――なるほど。お好きな『進撃の巨人』は、食べるというより食べられるほうですもんね……。

 そう。ご飯はこっち(人間)なので……(笑)。

 有名どころだと、やっぱりジブリ作品ですかね。「ラピュタパン」(『天空の城ラピュタ』に登場する目玉焼きが乗ったトースト)や『魔女の宅急便』のニシンのパイ、『ハウルの動く城』のベーコンエッグ……。ジブリ作品に登場する料理って、なんであんなにおいしそうなんでしょうね。小さいときは憧れて、親によく作ってもらっていました。

――ジブリ飯をですか? すごい!

 はい。『ラピュタ』を観たら目玉焼きトーストを作ってもらって、『魔女宅』を観たら似たようなパイをおねだりしていました。

 あと気になるのは、『もののけ姫』でサンがアシタカに食べさせた干し肉……(笑)。『ONE PIECE』で出てくるような骨付き肉も憧れますね。

――昔、阿佐ヶ谷に「あの肉」を売っているお店がありました(笑)。

 本当ですか!? 行きたかった……。

――先ほどお話しいただいたお好きな漫画に関してですが、広瀬さんは同じ作品を何周も読むほうですか?

 はい。家にあるもので、2周目にいっていない漫画がないです。滅茶苦茶読んでます。たとえば不意に「10巻のあのシーンが読みたい!」と思ったら、そこにピークを持っていきたいから2、3巻前から読みますが、「このシーンって前から読んだほうがいいじゃん!」ってなって結局1巻から読んじゃう(笑)。それで、続きが気になって最新巻まで……。最近だと『終末のワルキューレ』がまさにそうでした。

 私にとっては漫画を読むことは習慣であり、リフレッシュでありリセットできる時間です。毎回新鮮な気持ちで読んでいます。

2022.01.14(金)
文=SYO
撮影=山元茂樹