町全体をひとつのホテルにする「NIPPONIA HOTEL」
今回滞在先に選んだのは、かねてから気になっていた「NIPPONIA HOTEL 串本 熊野海道」。
![この日はレストラン「みなも」でチェックイン。説明を受け、お部屋へ。カフェでチェックインを行うことも。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/b/4/1280wm/img_b456237cce8e1318d0f12d4cc6557e21113956.jpg)
町に点在する古民家を、その歴史性を尊重しながら、客室や施設として再生し、町全体をひとつのホテルと見立てる「NIPPONIA HOTEL」の一員。その土地の文化や歴史を滞在しながら感じ取れる複合宿泊施設で、町に活気を取り戻す“エリア・リノベーション”として注目を集めています。
![園部邸にはカフェも隣接。地元の人にも愛されているお店です。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/4/2/1280wm/img_429cd8ddb5481a96329c77d441192a72118314.jpg)
「NIPPONIA HOTEL 串本 熊野海道」は、ノスタルジックな風情漂う新町通り(旧国道)を中心に、3棟5室とゲストハウス4室+コインランドリー、レストラン、カフェからなります。
かつては活気ある商店街だったという新町通りは、昭和から時間が止まったよう。夕方と21時には、スピーカーを通してガランとした町に「串本節」のメロディーが流れます。
滞在した園部邸は、表札もそのまま。家に帰ったように玄関で靴を脱ぎ、縁側のリビングへ。大きな窓からは小さな庭を望みます。前の持ち主も、きっとこの庭を愛でたことでしょう。窓のネジ式のカギが目に留まり、なつかしさを覚えます。
![園部邸の201号室。美しく手入れされた坪庭が縁側から眺められます。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/5/1/1280wm/img_515722eeceb685a6ef0db8070a6e2243200890.jpg)
それでいて、15畳はありそうなバスルームは中央にジャグジーを置く今どきのアートなデザイン。水回りがきちんとしているのも、ポイントです。
![園部邸の202号室、「土間と薪のある暮らし」。ベッドルームが屋根裏にあります。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/a/6/1280wm/img_a675355eaa64bb7a324864180aa244c8108307.jpg)
![202号室の1階。土間に薪ストーブ、屋外に五右衛門風呂があります。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/0/7/1280wm/img_07e15a704abebc02f9bf35ee1297f21d100168.jpg)
客室にテレビや時計はなく、夜が深まると、「シーン」という音が聞こえます。梁を見上げ、かつての持ち主を思う滞在。最新のインターナショナルホテルにはない、深い味わいがあります。
橋杭岩
●アクセス JRきのくに線「串本駅」から徒歩20分もしくはバス「橋杭岩」下車
●おすすめステイ先 NIPPONIA HOTEL 串本 熊野海道
https://nipponia-kushimoto.jp/
【取材協力】南紀串本観光協会 https://kankou-kushimoto.jp/
![](https://crea.ismcdn.jp/common/images/blank.gif)
Column
古関千恵子の世界極楽ビーチ百景
一口でビーチと言っても、タイプはさまざま。この広い世界に同じ風景は一つとして存在しないし、何と言っても地球の7割は海。つまり、その数は無尽蔵ってこと? 今まで津々浦々の海岸を訪れてきたビーチライター・古関千恵子さんが、至福のビーチを厳選してご紹介します!
2021.12.04(土)
文・撮影=古関千恵子