③ロニ・ホーン:水の中にあなたを見るとき、あなたの中に水を感じる?」

 アメリカの現代美術を代表するアーティストであるロニ・ホーンの個展。

 写真、彫刻、ドローイングといった多岐にわたる手法で表現を続ける作家の活動の軌跡を紹介してくれます。会場のポーラ美術館の「森の遊歩道」には、近年の代表作であるガラスの彫刻を展示。

 膨大な時間をかけて製作したであろうガラスの塊を見ていると、時を忘れることができるはず。作家がアイスランドで見たであろう風景と、箱根の森がつながっていくような感覚を覚えます。

 シンプルだからこそ、自由な解釈をゆだねられているロニ・ホーンの作品。鑑賞後、日帰り温泉の湯船につかりながら作品に思いを馳せる時間もいいものです。

ロニ・ホーン:水の中にあなたを見るとき、あなたの中に水を感じる?

会場 ポーラ美術館
所在地 神奈川県足柄下郡箱根町仙石原小塚山1285 ポーラ美術館
会期 2021年9月18日(土)〜2022年3月30日(水) 
会期中無休
観覧時間 9:00〜17:00(入館は16:30まで)
入場料 一般1,800円/65歳以上1,600円/大学・高校生1,300円/中学生以上無料
https://www.polamuseum.or.jp/sp/roni-horn

④HERS web「春巻き100本ノック」

 春巻きって、あまった食材を適当に包んで揚げるだけでおいしいし、あまり失敗しないし、懐の深い食べ物ですよね。春巻きというより、春巻きの皮が優秀なんでしょうか? ひいては小麦粉そのものが偉大ということ? と、春巻きのことを考えると止まらなくなってしまうほど、春巻きが大好きです。

 ただ、あまった食材を適当に揚げるだけといっても、母親歴10年近くにもなると買うものが決まってきてしまって、冷蔵室にあまっている食材もマンネリぎみ。なので、春巻きに新たな魅力を感じなくなってしまっていたのですが、そんなときに発見したのが光文社の女性誌「HERS」のこのサイト。
 
 銀座でワインバーを経営する島田さんが、新鮮な組み合わせを紹介していて春巻きの可能性をがんがん広げてくれます。たまに、これも揚げるの? と驚いてしまうこともあるのですが、試してみるとたしかにおいしい。

 週末に、揚げ物。いかがですか?

HERS web「ワインセラーローゼンタール 島田由美子さんのハルマキ100本ノック」

https://hers-web.jp/recommend/post_22911/

⑤『時給はいつも最低賃金、これって私のせいですか? 国会議員に聞いてみた。』

「私の人生はとりとめがなく、いつも行き当たりばったり。先行きは見通せず不安で、どうしようどうしようとバタバタしてきた」と語るフリーライターの著者が、タイトル通り「時給はいつも最低賃金、これって私のせいですか?」と、国会議員に尋ねまくった記録です。

 先のことを考えようとすると思考が停止する脳の持ち主で、このまま50代まで生き残れるか不安でしょうがなかった私は、和田さんの文章に惹きこまれ、夢中で読みました。

 政治家の小川淳也氏とのやりとりを進める中で「意見が合わなくても尊重しあう」というスタンスに辿りついた際には、なぜだか涙が……。

 「ソッコー」「ガーン」「ゴムの切れたパンツのようにユルユル」といった言葉を用いながら、リズミカルな文章で心情を綴ったコラムも読みごたえありです。

『時給はいつも最低賃金、これって私のせいですか? 国会議員に聞いてみた。』

和田靜香/著 小川淳也/取材協力
左右社 1,870円
http://sayusha.com/

Column

週末何しよう? 過ごし方5選

興味あることは沢山あるけど、「To Do List」じゃ重すぎる、スローなウィークエンドにしてほしい。そんなあなたのために、ゆるーい週末の過ごし方ガイドをCREA編集部が5つピックアップしてみました。

もちろん、今週末は部屋でゆっくり寝て過ごしちゃう、なんてのもOK。だって、週末はまた来週もやってくるんだから。

2021.10.14(木)
文=CREA編集部