撮影では、熱々のチーズに苦戦させられました(笑)
――現在、主演ドラマ「この初恋はフィクションです」の撮影の真っ最中です。初めてのドラマ撮影はいかがですか。
苦労することも多いですけど、現場のみなさんが本当にあたたかい方ばかりなので、毎日が充実しています。
――作品の見どころをぜひ教えてください。
私の演じる倉科泉のクラスに、ある日祖父江くんという男の子が転校してくるんですけど。初日からずっとお休みで、いつまで経っても祖父江くんが学校にやってこないんですね。いったい祖父江くんはどういう人なのか。
台本を読んでいるだけで面白くて、毎回次の話が気になるような終わり方なので、そこを楽しんで観ていただければいいなと思います。
――キャストには、「私が女優になる日_」で共に戦った4人の仲間も出演します。
みんなとのシーンはすごく楽しいです。一緒にバトルをやってきたからこそ出せる空気感があるかなと思うので、そこは大切にしたいですね。お話自体も青春がエモい感じになっているので(笑)、ぜひ共感しながら楽しんでもらえたらうれしいです。
――『私が女優になる日_』で演じたのは、1シーンのみ。ひとつの長いストーリーを演じる連続ドラマのお芝居は、まったく違う難しさがありますか?
連続ドラマってお話の順番通りに撮るわけではなくて。スケジュールやロケ場所の関係で、4話のあるシーンを撮ったその次がいきなり8話のこのシーン、みたいなことがよくあるんですね。それが最初は大変で。
今このシーンで泉はどういう状況なのかとか、相手役との距離感はどんな感じなのかとか、ひとつひとつちゃんと整理しながら演じなくちゃいけなくて、そこに苦労しました。最初の方は特に頭が行ったり来たりしていましたね(笑)。
――倉科泉を演じる上で大切にしているのはどんなことですか。
一見真面目な女の子に見えるんですけど、意外とチャーミングというかお茶目な一面もあって。人間って、どんな人もただ真面目とかだけじゃなくて、いろんな面があると思うので。そこが伝わるようになるべく表現の幅を広げたいなと思いながらやっているんですけど、なかなか難しいです。
キャラクターが平坦になってしまうと面白くないので。どこかでギャップをつけられたらいいなと思って、いろいろプランを考えてはいるんですけど、まだまだ胸を張ってこうですと言えるところまでできていないというのが正直な気持ちです。
――撮影中のちょっとしたハプニングなどありますか。
ハプニング……。あ! あります! チキンを食べるシーンがあって、上にチーズがかかっていたんですね。
本当だったらチーズを引きちぎって食べちゃえば良かったんですけど、熱すぎて食べられなくて、チーズが伸びた状態でそのまま演技を続けちゃって……。
しかも、それが次の回にまたぐラストシーンだったから。そのあとの場面でも、同じようにチーズが伸びた状態からやらないと画がつながらなくなっちゃって。
その状態をキープするのがすごく大変だったんですよ(笑)。どんどんチーズも乾いていくから、途中でべろんと剥がれちゃったりして。あそこはすごく苦労しました。
そのシーンは6週目で見られるので、よければチーズにも注目してください(笑)。
2021.10.11(月)
文=横川良明
撮影=松本輝一
スタイリスト=木下彩
ヘアメイク=Otama